藤四郎のひつまぶし

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Baby Princess 3Dぱらだいす0という一つの到達点

トゥルー家族という概念をごぞんじでしょうか。
Baby Princessという作品が提唱した概念で、今あなたの家にいる家族は世を忍ぶ仮の家族で、本当の家族、トゥルー家族Baby Princessの19人姉妹とその母親、そしてあなたで構成されている、というものです。
Prologue - プロローグ | Baby Princess ベイビー・プリンセス

この新しい概念の元、読者参加型企画、交換日記形式のブログ、ノベライズ、コミカライズなどの展開を見せたベイビープリンセスOVAアニメ版、それがBaby Princess 3Dぱらだいす0です。

この作品は世界初の2Dの美少女3Dアニメーションと銘打たれ、その看板に負けない面白さを持っています。
べびプリとは? | ベイビー・プリンセス OVA 3Dぱらだいす0
今回はこのBaby Princess 3Dぱらだいす0を紹介したいと思います。

あらすじ

本作の主人公はとある理由で19人姉妹と生活しています。そんなある日、芸能プロダクションのママの主催でPV撮影兼家族旅行として、川の近くの旅館に泊まることになります。
その旅行ではたくさんのハプニングが…といった内容です。

特徴

タイトルに3Dと付いているとおり、Baby Princess 3Dぱらだいす0の特徴の一つとしてあげられるのが、3D化された映像です。この3Dと19人姉妹という設定、そして可愛い女の子をこれでもかと見せる姿勢がこのアニメをオンリーワンタイトルに仕上げています。

奥行きの表現によるダイナミックさ

3Dの映像は飛び出すというよりは奥行きが出る、という話を聞きますが、Baby Princess 3Dぱらだいす0も奥行きを最大限に活用しているシーンがいくつも出てきます。
その一つがアバンタイトルで主人公が不可抗力でメインヒロインのヒカルのスカートを下から不可抗力で覗いてしまうシーンです。

そのシーンでは最初アップで映していた内部がズームアウトされていきます。
この手法自体はそこまで珍しいものではありませんが、そこに3Dの奥行きの表現力が加わることで、スカートの中身というものは男子にはとても強烈なものでありつつ、手の届かない遠くにあるものだと鮮やかに表現されています。

また、奥行きがダイナミックさに繋がっているのは物語中盤の滝のシーンです。流れの速い川でゴムボートが制御できなくなってしまうシーンがあるのですが、この滝が3Dのおかげでかなり迫力があり、物語の危機感を高めてくれます。
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※画像は2Dのものです。

「一枚の絵」から「たくさんのキャラとモノ」へ

視聴するとわかるのですが、3Dと、19人姉妹という設定はとても相性が良いです。通常一つの場面に19人という大人数を配置すると、画面が賑やかになる反面、一人一人の印象がやや薄まってしまうことは避けられません。
しかし、3Dの奥行きを生かして各キャラの配置を行うと、各キャラがいくつもの「層」に分かれて描写され、賑やかさを維持したまま一人一人を埋没させないことが可能になります。
それがよく分かるのがOPの電車のシーンです。電車の中で複数の座席にわかれて座る姉妹たちは、19人の大人数の賑やかさがあります。それでいて一番前の座席から最後尾の座席まで、いくつもの「層」にわかれているおかげで、一人一人が埋没することもありません。
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※画像は2Dのものです。

また、窓に寄りかかったヒカルと写り込みも、3Dでかなり良い感じに表現されています。
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※画像は2Dのものです。

この「層」での表現は、「隠す」表現にもプラスの効果があります。
例えば見えてはいけないモノを、画面手前に何かを配置することで隠す、俗にガードやディフェンスなどと呼ばれる匠の技があります。フルメタル・パニックふもっふや、花咲くいろはの温泉回の手法と言えば思い浮かぶでしょうか。
この手法に3Dを取り入れることで、隠す「層」と隠される「層」をよりはっきりさせることができ、隠したモノの存在感を増すことに成功しています。
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※画像は2Dのものです。

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※画像は2Dのものです。

女の子を雑念なく鑑賞できるよう整えられた環境

19人の女の子の可愛さを堪能する。それがこの作品の楽しみ方の一つでしょう。
それを邪魔しないよう、主人公である陽太郎は透明な存在、あるいは視聴者の分身として描かれています。

視聴者と主人公の間で感情の齟齬を生まないよう、主人公は行動はすれど、内心を明かすことはほとんどしません。なんらかの解釈が必要な行動をとった場合は、周りの女の子たちが主人公の思考を推測する、という流れが多いです。
そして、主人公は作中名前で呼ばれることがありません。これによって主人公は視聴者の透明なレンズとして機能します。それと同時に、姉妹たちはお兄ちゃん、オマエ、キミ、下僕などと異なる呼び方をしており、個性を強調する効果も生んでいます。

また、女の子たちを気兼ねなくじっくり観察できるよう、前半の川を舞台としたパートでは、PV撮影という女の子をずっと見ていて問題ないシチュエーションを取り入れています。
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後半に舞台が旅館に移り、家族の多くが寝てしまってからは、少数、あるいは二人っきりのやりとりをすることが多くなります。そうなればこっちのものです。
女の子を見つめる場面が多くなることに違和感はなくなり、画面の前にいる女の子に話しかけられる機会も増えてきます。
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危機的状況による吊り橋効果

この作品は意外と危機的状況に置かれる場面が多いことです。
前述の滝にゴムボートが飲まれそうになるシーンの他、混浴の温泉で主人公が湯船から出ることができず、呼吸が続かなくなるシーン、ほぼ全裸のナイスバディな二人にローションを塗って欲しいとせがまれるシーン、縛られて猿轡をされてのしかかられるシーンなど、大きな危機だけでも4つほどあります。
このようなシーンを挟むことにより、胸のドキドキを女の子への好意と認識してしまうよう、巧妙な心理操作が行われているのです。


異常のように、Baby Princess 3Dぱらだいす0はアニメの到達点の一つを見せてくれた感があります。
3D、というとかなり特別な環境が必要そうで尻込みをしてしまいそうですが、対応する再生機器とモニタ、あるいはTVはそこまで特別なものばかりではありません。身近なところではPS3は3Dでの再生に対応していますし、レコーダー機能がないプレーヤーなら1万円をややオーバーするところからあるようです。

PlayStation 3 (320GB) チャコール・ブラック (CECH-2500B)

SONY ブルーレイディスク/DVDプレーヤー S380 BDP-S380

TVはそれよりは値が張ってしまいますが、やや小さいサイズに目を向ければ、3D対応のモニタがこれまた3万円を切る価格で売っていたりします。

LG Electronics 23インチ 光沢 IPSパネル(高透過率) フルHD LEDバックライト 3D対応液晶モニター D2343P-BN (偏光式 メガネ型同梱モデル)

この3D機能、2年くらい前は次世代のテレビの目玉として期待されてはいたものの、2012年現在、そこまで訴求力のある機能にはなっていません。なので、最近レコーダーやテレビを購入している場合、もしかしたらこっそり3Dに対応しているかもしれません。

もしBaby Princess 3Dぱらだいす0に興味を持ってくれたならば、ぜひとも3Dを楽しめる環境を用意して、面白さを味わっていただければと思います。
というかいつか鑑賞会なり、同時視聴USTなりしてみたいんですよねぇ…。