藤四郎のひつまぶし

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シャイニングハーツのヒロインの個性は薄口で上品なものがついてますよ、っと

ツイプレッション : シャイニングハーツはなぜつまらないのかさんさんさん
こんな記事を見まして。
面白い、面白くないは個人の感じ方なんですがちょっと気にかかったところを。

なぜかと考えるとヒロインが多すぎるのだ。原作のゲームだと3人のうち1人しか出てこないヒロインがアニメだと同時に3人出てくる。
これ自体は非常によいアイデアだと思う。しかしアイデア倒れで書き分けがされていない。同時に3人出てきて、セリフの量は3分割。3人での掛け合いはほとんどない。パン最高、パン最高、パン最高。
1人のメインヒロインの魅力が3分割されてしまっている。この作品自体が既存のファンタジーもののように冒険を進めていく話であれば、ストーリーの魅力で作品を楽しむことができる。
ところが、パン屋の主人公を中心としてトラブルを解決していく作品である。日常を楽しむもの何にメインとなるレギュラーヒロイン達の3人がかわいくない、魅力がなくては面白くないのだ。
本来、作品1クールを通して各キャラを立てて楽しませるような筋、設定を考えるのはシリーズ構成の役目だと思う。しかし、このシャイニングハーツではシリーズ構成が他の重要なスタッフを兼任してしまっている。手がまわっていないのでしょう。きちんと3人のキャラの設定をアニメオリジナルで立てておけば、キャラごとの会話に個性もでてきて楽しめたと思う。

※太字部は筆者強調

あとTwitterでのこんな発言とか。

どちらもネタとマジが入り交じっているところにアレなんですが、
このヒロインの三人が一人でできることを三分割されている、って見方には半分その通りかなーって気持ちと、半分それだけでもないよね、って気持ちがありまして。

この三人、確かに役割は分かれているんですが、私の見方だとしっかり考えて役割ふられているように感じるもので。

お金にしっかり、戦う美少女ネリス

5/24での最新話である6話時点で、一番特徴が顕著なのはネリスだと思います。
ネリスの特徴として、お金にしっかりしているところと戦闘能力があり、それを有効に使おうとするところがあります。
お金に関しては2話のリックが寝てから、アミルにお金大好きだもんね、とからかわれていたり、4話のシャオメイとの引き上げた箱の取り分について、こちら側が7?とさり気なく確認していたりします。
6話の泥棒の捕縛についても、褒美に真っ先に反応したのはネリスです。
この泥棒捕縛については同話で披露した弓の腕前があってでしょうし、さらに言えば1話でエルフの森で獣に襲われることに対して、逃げる心配ではなく、武器を持ってないことを心配しているのも、自分の戦う力に対する自信と、それをしっかり使おうとする意志が見えます。ちなみにこの1話で馬車の手綱を握っていたのもネリスで、そういう運動のセンスが必要なところはネリスが受け持っているのがよくわかります。
4話で彼女がリックを起こしに来た時も、プライパンを叩いて起こすちょっと荒っぽい方法が彼女らしいです。

教会と縁があり、誰にでもやさしいエアリィ

エアリィはその服装からも分かる通り、教会と縁が深いです。
1話で神父さんに最近お祈りに来ていませんね、などと言われていますが、逆にそれまではしょっちゅうお祈りに来ていたことがわかります。
敬虔な信者なのか、それとも教会で子供の頃は作中でも出てきたように教会に預けられていたのかは今後の話を見ていきたいところです。
教会で優しそうな神父と子供たちに触れ合ってきたからか、2話で見たようにエアリィは不安そうな子どもの世話を焼いたりします。
2話で彼女がリックを起こしに来た時も、声で起きないとなるとくちびるに指を乗せたり、起きたリックにかなり顔を近づけて話しかけたりするが誰にでも優しい彼女らしいです。*1

平穏にパン屋をやっていけるのが一番なアミル

アミルの描写で印象的なのは、リックが剣を持つことへの抵抗です。
3話で兵隊とリックが一触即発の事態になったシーンは、回想として悲しげな顔のアミルと一緒に何度も出てきます。
それと2話でのネリスとの会話では、アミルがリックをすぐに手伝ってしまうところを指摘されたりしています。同じくパン屋をやっているマデラへの尊敬が混じったような態度も見るに、アミルはパン屋をずっと続けていられるのが一番の幸せなんじゃないでしょうか。今後リックたちがなにか大事に巻き込まれそうになった時、止めるのはアミルのような気がします。
3話でアミルがリックを起こしに来た時も、上半身裸だった彼に服を着るようにたしなめるのが…うーん、これはあんまり彼女とは関係ないか。

三人娘のパン屋での役割

基本的に三人とも他の役割をこなせるのですが、得意な仕事、多くやっている仕事は決まっています。
ネリスはお客さんの会計、エアリィはパンの配達、アミルは店の奥でパンに直接触る仕事です。
これは1話や5話が顕著です。
それぞれがパン屋で役割を交換する場合は、私の見る限り、意味なく交換されているわけでもないように思います。
例えば2話でアミルが会計をやっていたのは、マデラの信頼のされ方を強調する配置でした。
4話でネリスが配達に出かけるのも、街でシャオメイと会わせておくためで、その後の箱の引き上げのエピソードをスムーズにすすめるためでした。

自ら作品を読み解くってのもありなのでは?

とまぁいろいろ並べてみたのですが、この辺は全部ことさら強調せずにさらりと展開されていると言っていいと思います。
ただこの作品、制作陣は視聴者側で読み解いて欲しい、って思ってあえてさらりとやってるような気が私はするんですよ。
これはキャラの描写だけじゃなくて、2話の嵐を何事もなく過ごせた後のマデラの「ありがとうの種がちゃんとあるはずだ」というエルフの二人へ遠まわしにお礼をしたほうがいい、といった助言や、3話でかまどが壊れた後、無駄になってしまうパンの生地を黙々と捨てているリック、4話の箱の引き上げ後、そのままだと落ちてしまいそうな箱を止めるため、あるいは暴走したハンクの機械を落とすために船の帆を倒すまでの一連の流れなど、視聴者側で考えないと何を言っているか、やっているか一見分からないような描写がちょくちょく出てくるところからもそう思うんです。
というわけで、シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜のヒロインたち、あるいは作品自体、職人が丁寧に作り上げた、薄口の上品なものに仕上がってると、私は思うのでした。

*1:それにドキッとしないリックは只者ではない、という論点はまたいつか…。