藤四郎のひつまぶし

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恋と選挙とチョコレートこそが、政治を描くアニメの最先端だ!


恋と選挙とチョコレートは、主人公大島佑樹が、自分の所属する毎日お菓子を食べてばかりの食品研究部、通称ショッケンを、実績のない部の部費削減、廃部を掲げる時期生徒会長の有力候補、東雲皐月から守るべく、生徒会長を目指して選挙に立候補し、戦っていくというアニメです。

このアニメは生徒会とその活動を学校の組織とイベントではなく、政治の縮図として描こうとしています。そこが私の心をグッと掴んで離さないのです。

第4話、資金!では皐月の改革案が、単なる経費削減ではなく、そうして削減した部費を経済特待生の待遇改善のために使おうとしていることが明らかになります。
この経済特待生問題の体現者ともいえるのが登場人物の一人でもある青海衣更です。彼女は経済特待生の援助でも生活費が足りず、校則で禁止されているバイトをせざるを得ない状況です。しかも経済特待生という身分のために、履いていたパンツをその場で脱がされて捨てられるといったいじめをうけることになります。その姿を見ていれば、だれもが彼女を救いたいと思うことでしょう。

この視点で考えると、経済特待生の援助のために、廃部、部費削減などで浮いた予算を回すのは正当なものに思えます。
しかし、人は欲しい物が与えられないことよりも、今持っているものを奪われることに敏感な生き物です。
昇給が先送りになるのと、次の給料が減給になるのとでは、後者を嫌がる人の方が多いのではないでしょうか。
あるいは携帯電話を持っている人が、いきなり携帯電話のない生活に戻れと言われて納得できるでしょうか。
小学校や中学校、あるいはもっと先まで携帯電話を持っていない時期があった人でも、おそらく一度手に入れてしまった携帯電話という文明の利器を手放すことには相当の抵抗があることでしょう。

この感情が放送利権、通信利権といった既得権益にも繋がってきます。外側からはおかしいと指摘できても、利権の内側からすれば、これまで持っていたものを手放すのは相当の苦痛であり、認められないものなのです。
恋と選挙とチョコレートでは、部活動という既得権益を、経済特待生問題という明確な対立項をぶつけることで際立たせています。
予算配分という政治の基本的で根本的な部分を身近な学園という舞台にうまく落とし込んでいると言えるでしょう。

恋と選挙とチョコレートは、政争といったものへも鋭い切り込み方を見せています。

タイトルにも入っている選挙戦では、マニュフェストよりも知名度が最優先という身も蓋もないことがショッケンの援助をかってでた現生徒会長、八雲より述べられ、ショッケン部員もそれに賛同します。
現実の選挙でも、1人1人の候補者を丹念に調べて投票する人は稀で、すでに知っている人の中から決める人が大半でしょう。
また知名度アップのために、賄賂とならないよう、お菓子に大島の名前を入れて、「チラシ」として配布する方法も、ルール違反にならない範囲でなりふり構わない選挙の一端を表しています。*1

政治運営では学園の自治として行政三部と呼ばれる治安部、総務部、財務部の3つがあるのですが、一話冒頭で治安部と総務部の癒着と証拠隠滅が描かれていたり、生徒会長が所属していた治安部の不祥事が会長の辞職を目的とした政争の道具とされていたりと権力闘争の描写に抜かりがありません。

このような優れた政治描写を備えた本作ですが、政治描写だけでは惹きつけられる視聴者はそれほど多くありません。視聴者の間口を広げてくれるのが、タイトルの中の、恋、そしてチョコレートの部分でしょう。

ショッケン部長住吉千里はチョコ嫌いで、大島に恋愛関係はありえないと否定されてもいます。
ですが2話では食べられないはずのチョコを買ってきて、大島に食べさせながら同じ部屋で佇むなど、過去に何かがあったことを思わせる描写がありました。
またショッケン顧問東雲葉月は、3話で大島を自宅に呼んで料理を作ってもらい、二人で食べたあと抱きあうといった生徒と先生の関係とは思えない一面を見せました。
恋という題材は予備知識なしでも物語に入っていける、優れた題材といえるでしょう。

そしてチョコレート。恋と選挙とチョコレートの、あま〜いあま〜いチョコレートパートは、これまでのシビアな政治やビターな恋とは違い、見ているだけでとろけてしまいそう!
朝いきなり下腹部にまたがってくる女の子だったり、私の匂いを嗅いでくださいとお願いしてくる女の子だったり。そうでなくてもこの学校の制服の胸の強調具合ったらたまりませんね!
登場している女の子キャラは、公式のキャラクターページだけでも12人!みんな個性いっぱいの女の子です!
「恋と選挙とチョコレート」 公式サイト
きっとあなたのお気に入りの女の子がいるはずです!

恋と選挙とチョコレートを今後とも宜しくお願いします!

*1:奇しくも一話でショッケン部長、千里が嫌悪した辰巳茂平治と同じ、ルール内で賄賂を送る形になっているのが政治のダーティさを物語っています