藤四郎のひつまぶし

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ロボティクス・ノーツの二種類のロボット〜夢のロボットと手段としてのロボット〜

この前@str017 すとらいさんがサンライズのロボアニメについてTwitterでつぶやいていました。
アニメのパラダイムシフトとサンライズのロボモノ - Togetter
それを見て先日とある人のUSTでロボットモノのアニメの今後ってどうなの? みたいな話をしてたことを思い出しました。

ちょっと記憶があやふやなんですけど、前からロボットが好きな人に合わせてお約束を盛り込んでいくと、アニメに最近興味を持ち始めた人から見ると前提として必要な知識が多い、というかそもそも設定を覚えるのが大変なんじゃないかとか、そういう話があったように思います。

それで頭に浮かんできたのがロボティクス・ノーツでした。

このロボティクス・ノーツ、最序盤はロボコン大会参加、それ以後は巨大ロボットづくりが話のメインの展開になっています。
この巨大ロボット作り――ガンつくプロジェクトはまさに従来の巨大ロボットが出てくるアニメを下敷きにしたものと言えます。
ガンヴァレル自体が劇中作のロボットアニメに登場する巨大ロボットですし、あき穂がガンヴァレル作りに積極的なのもアニメ好きが高じたのが大きな原因の一つだからです。

このガンヴァレル作りですが、ロボットはそれ専用の技術体系、設定がなければ存在するのすら難しいというのが作中でよく示されています。
作中のガンヴァレル作りは実用性という意味ではほとんどなんの意味もないと言っていいでしょう。
巨大ロボットを動かすには重量や動力の問題に立ち向かわなければならず、それらを解決するにはたくさんの資金と労力を必要とします。
それでいて出来上がったガンヴァレルのもたらすものは、すげーといった感嘆やよくやった、という激励の言葉です。
ロボットアニメを下敷きにした巨大ロボットは趣味や道楽で作るもの、と言ってもいいかもしれません。

その趣味や道楽に対しては世間の風当たりはよくありません。
教頭からはロボ部廃止の圧力を受けますし、知人親戚肉親の助力がなければ資金不足と後継者不足で立ちゆかなくなるところでした。

現代での巨大ロボット作りというのはかなり厳しい現実に直面するものでした。


さて、このロボティクス・ノーツ、アニメ版ではやや省略されがちな部分に、舞台が近未来の日本で今よりもロボットが普及しているという設定があります。
序盤から登場している伊禮瑞榎はHUG*1を使い生活しています。
物語のキーパーソンの1人、瀬乃宮みさ希はそのHUGを開発しているエグゾスケルトン社で働いています。
そして物語の舞台である種子島にはほとんど見られませんが、都市部では様々な用途でロボットが使われています。

これらのロボットはガンヴァレル作りというロボットアニメを下敷きにしたロボットとは違ったアプローチで誕生したロボットたちといえます。
生活を豊かにするために、あるいは会社の利益をあげるために技術者や経営者が頭を捻った結果生み出されたものが、結果としてロボットの形をとったのです*2

ガンヴァレルを作ろうプロジェクトを夢のロボットとすれば、エグゾスケルトン社のロボットは手段としてのロボットと呼べると思います。
今のアニメの状況は、もしかしたらロボティクス・ノーツの世界と同じように、夢としてのロボットはその夢を共有しにくくなっており、逆に手段としてのロボットは受け入れられやすくなっているのかもしれない、などと思うのです。

ちょっと安直に結びつけすぎかもしれませんが、2012年に放送したロボットアニメのうち、輪廻のラグランジェエウレカセブンAO、トータル・イクリプスガンダムAGEといった夢の巨大ロボットといった作品群が苦戦し、ガールズアンドパンツァー、モーレツパイレーツといった戦車、宇宙船というやや現実よりのロボ(というか機械?)モノが健闘しているのはもしかしたらそんなところににも原因があるのかなぁとか思いつつ、いやロボモノな境界線上のホライゾンも、劇場版やOVAならコードギアスストライクウィッチーズガンダムUC、2011年も考えればインフィニトストラトスもヒットしたじゃねぇか! とか、反論はいくらでも見つかりそうなので、ここではロボティクス・ノーツは今のロボットアニメの取り巻く状況を考えてみると、ちょっと面白い立ち位置の作品といえそうかなぁ、といったところでお茶を濁したいと思います。

*1:Helpful Unlimited Gear、医療、介護用パワードスーツ

*2:とは言いいつつ、これらのロボットの普及にはガンヴァレルの巻き起こしたロボットブームが一役買っているのですがね