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ほんなら幼なじみはどんくらいで流行ったかわかる? 90年代や

一体いつから───────幼なじみが正統派ヒロインと錯覚していた? - 藤四郎のひつまぶし

先日の記事では90年代の幼なじみ度が高いということから、一つの推論を導きました。
幼なじみは正統派ヒロインの証というよりは、90年代に流行したヒロインの属性の一つなのではないか?
というものです。

よってまず90年代の作品を見て行きましょう

90年代のヒロインと幼なじみ

前の記事の作品群のうち、90年代の作品を見てみましょう。
1990 ドラゴンクエスト4
1990 スラムダンク
1990 幽遊白書
1992 ドラゴンクエスト5
1992 H2
1992 金田一少年の事件簿
1993 機動戦士Vガンダム
1993 シュート
1994 機動武闘伝Gガンダム
1994 ときめきメモリアル
1994 るろうに剣心
1994 魔術士オーフェン
1995 新機動戦記ガンダムW
1995 新世紀エヴァンゲリオン
1996 機動新世紀ガンダムX
1996 機動戦艦ナデシコ
1996 サクラ大戦
1996 犬夜叉
1996 名探偵コナン
1997 ファイナルファンタジー7
1997 ToHeart
1997 I's
1997 ワンピース
1998 WHITE ALBUM
1998 ラブひな
1998 フルメタル・パニック!
1999 ∀ガンダム
1999 kanon
1999 ファイナルファンタジー8
1999 ときめきメモリアル2
1999 NARUTO

この中で、幼なじみ=正統派ヒロインのイメージを作った作品として、1992年ドラゴンクエスト5、1994年ときめきメモリアル、1997年ToHeartがあげられるかと思います。

結婚で幼なじみを選ばせるドラゴンクエスト5

ドラゴンクエスト5は日本のRPGの二大巨頭といってもいいドラクエシリーズのナンバリングタイトル。
日本で279万本を売り、歴代売上のTOP50に入るゲームです。*1
90年代でこれより売上が多いのは、ポケモン、マリオ、ストリートファイターファイナルファンタジーといったゲームぐらいになります。

そのような大作ゲームで、幼なじみのビアンカ(幼なじみ度4)とお金持ちの令嬢のフローラ(幼なじみ度1)どちらと結婚するか選択を迫られるのはなかなかインパクトがあったのではないでしょうか。

そしてこの作品、結婚相手を選ぶ時点では明らかにフローラの主人公への描写が弱いです。
アンディというフローラに思いを寄せる青年までいます。
それに対し、ビアンカとはこの結婚まわりのイベントの中で、幼年期以来の予想外の再会をして一緒に冒険までしてしまいます。
これは明らかにビアンカ優遇といっていいでしょう。
ここまでお膳立てされてしまうと、幼なじみって最高だぜ! という認識が植え付けられてもしょうがない気はします。

恋愛シミュレーションゲームジャンルを確立し、幼なじみをラスボス化させたときめきメモリアルとToHeart

ときめきメモリアルとToHeart。
この二作品は現在の恋愛シミュレーションゲーム、ギャルゲー、純愛系のエロゲー*2などと呼ばれるジャンルを確かなものにした作品と言って過言ではないでしょう。

またこの二作品ではメインヒロインの幼なじみ、藤崎詩織(幼なじみ度5)と神岸あかり(幼なじみ度5)が他のヒロインと比べて攻略難易度が高い特徴があります。
これがこの二人に「ラスボス」のような印象を与えるとともに、この二人を落とそうと悪戦苦闘をし、長い時間を費やすことを強制します。
その長い時間と高い難易度によって、本作のヒロイン=幼なじみというものに対する強烈な憧れや所有欲といったイメージが培われていったのではないでしょうか。

恋愛以外の要素が強い作品での幼なじみ

他に触れておきたいものとして、金田一少年の事件簿名探偵コナンの二作品があります。
金田一少年の事件簿はドラマ化とアニメ化両方がされ、コナンは今もマンガとアニメが続いている人気作品です。
この二作品で七瀬美雪(幼なじみ度5)、毛利蘭(幼なじみ度5)といった主人公のそばにいることが多いヒロインが登場しているのも、幼なじみが正統派ヒロインと思われる要因の一つに思います。

ここにはブックマークコメントでタッチの南ちゃんあたりが源流では、とか少女マンガから輸入されたのでは、といったコメントを頂いています。
特にタッチはサンデーで連載され、アニメでも放送されていたのもあり、サンデー、あるいはもっと広範に強い影響を与えていてもおかしくなさそうです。
時間があればもう少し調べたり、あるいは詳しい人からのツッコミを待ちたいところです。
あとうる星やつらの段階で「幼なじみ=正統派ヒロイン」を前提に書かれている、っていうのも面白い指摘だと思いました。
もうそこら辺になると私は作品名すら聞いたことがない有名作品も増えてくるので、どなたかご教授いただけると嬉しいです。

90年代におけるガンダムの特徴

90年代の作品のうち、触れておきたい作品群にガンダムシリーズがあります。
ブックマークコメントで、抽出作品が偏ってる、って言ってる方には、このガンダムシリーズの多さを言っている方もいるかと思います。

すいません、ガンダム好きなんです…ごめんなさい。
ただ、好きなだけではなくて、ちょっと理由もあるんです。

このガンダムシリーズ、やけに幼なじみ初期から主人公の側にいるヒロインに厳しいシリーズです。(2/7 17:50表現変更)
フラウボウ(幼なじみ度53*3)、ファ・ユイリィ(幼なじみ度5)、エル・ビアンノ(幼なじみ度5)といった初代からZZまでの幼なじみ初期から主人公の側にいるヒロインは全員敗北します。
メインヒロインはララァ・スン(幼なじみ度1)、フォウ・ムラサメ(幼なじみ度1)、ルールカ(幼なじみ度1)と全員ボーイミーツガール勢。
しかも物語序盤には出てこない(!)キャラ。

ララァとフォウはニュータイプの共感ということで恋愛ではない、ファは生き残ってカミーユと恋人になっている、という解釈もできるかもしれません。
ですが三作目のルールカに対するエル・ビアンノはそんな解釈もできない完全敗北に思えます。

しかしそんなガンダムシリーズが、90年代に入るとVはシャクティ(幼なじみ度5)、Gはレイン・ミカムラ(幼なじみ度5)と幼なじみがメインヒロインになるのです。
Vについては恋愛か微妙かつカテジナ(幼なじみ度3)もペンフレンドとやや幼なじみに近く、幼なじみがそれ以外に勝ったとは言い切れないかもしれません。
しかしGについてはアレンビー・ビアズリー(幼なじみ度1)に途中登場ボーイミーツガールというハンデはありながらもレインが勝利。見事ガンダムの幼なじみは負けフラグの黄金パターンを破っています。

この後はW、X、∀と幼なじみが登場しない作品になり、不戦敗が続くことになりますが、大型シリーズに起こった一つの出来事と捉えてもいい気がします。

…監督が違う…? アナザーガンダム…? なんのことやら…。

2/7 17:00追記:ガンダム、特に富野監督についてはまっつねさんがこちらの記事で詳しく書いてくれています。
「じゃあ、幼馴染が負けフラグになったのも…!」富野御大「それも小生だ」 - まっつねのアニメとか作画とか

90年代以外の気になるジャンル・区分

ジャンプ、週刊誌の恋愛マンガ

気になるジャンルとして、ジャンプのラブコメマンガがあります。
1984 きまぐれオレンジロード
1997 I's
2002 いちご100%
2006 To Loveる
2011 ニセコ

これらはニセコイ(桐崎千棘・小野寺小咲のどちらかが幼なじみ度4、幼少のころに主人公と約束したが主人公は記憶が無い)を除いてメインヒロインが幼なじみではありません。
I'sでは秋葉いつき(幼なじみ度4)、いちご100%では南戸唯(幼なじみ度4)が登場するも、メインヒロインは葦月伊織(幼なじみ度2)、西野つかさ(幼なじみ度2)(or東城綾(幼なじみ度2))でした。
一時期マガジンに抜かれた時期があるとはいえ、日本のマンガ雑誌で一番売れていると言っていいジャンプ。
そこでの代表的ラブコメマンガが、あまり幼なじみを優遇していないのはちょっと気になる部分ではあります。

これに他誌の複数ヒロインの作品を加えてみます。
1978 うる星やつら
1980 みゆき
1987 らんま1/2
1992 金田一少年の事件簿
1998 ラブひな
2003 魔法先生ネギま!
2004 涼風
2004 ハヤテのごとく!

ここで幼なじみ度が高いのはみゆき(若松みゆき、幼なじみ度4)、金田一少年の事件簿七瀬美雪、幼なじみ度5)、ラブひな成瀬川なる、幼なじみ度4)の3作品。
金田一少年の事件簿は複数ヒロイン(速水玲香、幼なじみ度1)とは言え恋愛中心の作品とは言いがたい部分もあるので除外してみましょう。
すると幼なじみの幼なじみ度は全員4、再接近になります。
これは打ち切りのありえる環境での恋愛主体の作品では、狭義の幼なじみのような関係をじっくり描くのが難しく、ドラマチックな出会い、再会が必要になってくるのを示唆しているかもしれません。

恋愛がテーマでない作品でのヒロイン像

ブックマークで恋愛がテーマでない作品では幼なじみが多いといった旨のコメントを見かけました。
しかしあまりそうとも言い切れないと思います。

恋愛がテーマでない21作品のうち、幼なじみがヒロインなのは5作品。24%です。
これは今回の作品群85作品のうち、幼なじみヒロインの24作品、28%より低い数字です。

今回の作品群で恋愛がテーマでないと判断した作品は下記のとおりです。
1972 マジンガーZ
1974 宇宙戦艦ヤマト
1986 ドラゴンクエスト
1986 ドラゴンボール
1987 ジョジョの奇妙な冒険(1部)
1987 ジョジョの奇妙な冒険(2部)
1988 ロードス島戦記
1989 はじめの一歩
1990 ドラゴンクエスト4
1990 幽遊白書
1992 H2
1993 シュート
1993 機動戦士Vガンダム
1994 るろうに剣心
1994 魔術士オーフェン
1995 新機動戦記ガンダムW
1996 犬夜叉
1996 名探偵コナン
1997 ワンピース
2011 機動戦士ガンダムAGE(アセム)
2011 機動戦士ガンダムAGE(キオ)

このうち幼なじみ判定はドラクエ4のシンシア(幼なじみ度5)、幽遊白書の雪村螢子(幼なじみ度5)、シュートの遠藤一美(幼なじみ度5、アニメ版の設定)、機動戦士Vガンダムシャクティ(幼なじみ度5)、名探偵コナンの毛利蘭(幼なじみ度5)です。
これらの作品がすべて90年代なのは私のサンプリングの偏りなのか、はたまた90年代のブームだったのか。

ちなみに再接近型のヒロインがこの作品群にはいませんでした。
再接近型のヒロインは自然と作品における恋愛の重要度を高めそうな気がするので納得とともに、ボーイミーツガールといえどあまり恋愛に振れない展開も多いと思いました。
この辺はボーイミーツガールの定義を細分化する必要もあったりするかもしれません。

データ公開と今後

ブックマークコメントなどでも頂いている通り、私が抽出した作品は結構偏っています。
マンガ、ライトノベルについては売上の多い作品、自分が経験している作品、恋愛要素が強い作品を優先して選びました。
アニメ、ゲームは自分が経験している作品、恋愛要素が強い作品を中心にしたつもりですが、視聴率や売上、認知度についてはやや偏りが多そうです。ガンダムとか。
なのでサンプリング次第で全然違う結論になったりするかもしれません。

また私の勘違いで幼なじみ判定が間違っている場合もあったりするかもしれません。

こういうのは1人で抱えててもアレなところがあると私は思っています。
なので私のまとめたデータを公開します。

藤四郎のひつまぶし@alphabate - Dropbox
ここのヒロイン@幼なじみXXXXXXXXXXXXXXXってファイルがそれです*4

この中身をみて「これ違うじゃねーか」「この作品が足りない」なんて修正・追加して記事を書いたりする人がいたらいいなー。

あとid:lkhjkljkljdkljlさんのブックマークコメント。

この手の主人公とヒロインの人間関係のテンプレ化が典型的にあらわれるのは、複数ヒロイン型のエロゲだと思われる。そこが抜け落ちていると「幼なじみ」の考察としては弱さを感じる。

『人間関係のテンプレ化』『「幼なじみ」の考察』って書き方が鋭いですねー。

それとid:mizunotoriさんのブックマークコメントも面白い。

主な萌え属性の登場率と勝率をまとめてヒロインのヒエラルキーを作りあげて欲しい。

私の記事だと『ヒロイン』と『作品の恋愛度』と『幼なじみ』に着目してデータをまとめたつもりです。
なので他の属性、テンプレ化といったものにはほとんど触れていません。

そちらの方向から光を当てる、複数ヒロイン型のゲームに絞ってサンプル数を多くとるなどすると、また違ったものが見えてくるかもしれません。

もし挑戦する人がいたら教えてくれると嬉しいですねー。
面白そうなら協力しますよ♪

(2/7 18:30追記)

乙女チックラブコメ - Wikipedia(70〜80年代?)から少年漫画(80年代)に幼なじみが輸入され、その流れがゲーム(90年代)に受け継がれたのではという仮説はすごくわくわくします。
マンガ道場さんはブログもお持ちなので、具体的な作品名とか、何作品データに加えたかわかる記事載らないかなぁ…。

漫画道場

(追記終わり)

…え? 自分でやらないのかって…?





ハハッ!

人間失格 (集英社文庫)
人間失格 (集英社文庫)

*1:GEIMIN.NET/テレビゲームソフト累計売り上げデータベース(歴代ランキング)より

*2:ここでの純愛は陵辱ではない、ぐらいの意味

*3:2/7 17:50表現変更。幼なじみ度を3、友人に下げています。ファも同様という指摘もいただいていますが、グリーンノアが再建された頃=0080〜0087のどの時点で移り住んできたか不明、かつファの態度から幼なじみ度5とみなしています

*4:Dropboxを出したついでにこの記事も。家のPCに保存した写真や文章が、外出先でも見られるようになるDropBoxのお話 | ジャムミックス! http://db.tt/EEUtRye別ブログでのDropbox記事&紹介した方もされた方も得する紹介リンクです。