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藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

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再掲:まさに『謎解き』なゲームTRICK×LOGIC Season1(with 逆転裁判、かまいたちとの比較)

再掲 ゲーム TRICK×LOGIC 演出 感想

※本記事はジャムミックス!で2010/7/25に投稿した記事に 修正・追記・再編集したものです。
TRICK×LOGIC Season1

こんな人にはオススメ
・手軽な価格で決まった時間楽しみたい
・ミステリ作家とがっぷり四つで知恵比べをしたい

これを期待すると裏切られるかも…
デーモン閣下の美声を堪能したい
・何度もプレイしたい

TRICK×LOGIC Season1、PSストアでPV見たときから気になってたゲームです。
ただいま練習問題含めて4話分プレイ(=半分以上プレイ)しましたが、自分的には当たりでした。

まずコストパフォーマンスはかなりいいと思います。
UMD版で2,980円、ダウンロード版であれば2,380円は結構お手軽な値段です。

システムもまさに自分で推理・検証しているような作りでグッド。
おおまかな流れはこうです。

まず推理小説の問題編に近いテキストを読みます。
読み終わったら『調書』と呼ばれる問題文をチェックします。
そして『調書』への適切な解答、このゲームでは『ヒラメキ』と呼ばれるものを探すのです。

『ヒラメキ』を探すには、まずテキストに無数に散らばる『キーワード』のうち、特定の二つを組み合わせて『ナゾ』を発見します。
そして『ナゾ』にさらに関連ある『キーワード』を組み合わせれば『ヒラメキ』ができるという仕組みです。

『調書』に『ヒラメキ』をすべて当てはめれば解決編へ。
それが正解だった場合は次のシナリオへ、そうでなければもう一度推理編をプレイすることになります。

この形式が謎を発見して解決に至るまでの進行状況を視覚的、データ的に表してくれます。
さながら自分の頭の中の推理が、ゲームのデータとして転写されているかのようです。
ムービー|TRICK×LOGIC(トリックロジック) | プレイステーション� オフィシャルサイト

TRICK×LOGICを他の推理ゲームと比較するなら『かまいたちの夜』と『逆転裁判』がいい対象だと思います。

まず事件の全貌を自らの手で暴く楽しさを味わうなら『TRICK×LOGIC』と『かまいたち』のシステムが『逆転裁判』を一歩上回るかと思います。
逆転裁判』は目の前の証言のムジュンを見破っていく、という流れであるため、必ずしも事件の全容を把握していなくても進めていけます。
(それがあのテンポのよさと爽快感を生み出しているのですが。)

それに対し『かまいたち』は選択肢の表現が巧妙であるため、全容を知っていないとなかなか正解にたどり着けません。
逆に全容を知っているといくつかの選択肢をショートカットしてエンディングにたどり着くこともできたりします。

そして『TRICK×LOGIC』では全容を把握しなければ正解には決してたどり着けないでしょう。
これは厳密に自分の力だけで推理を楽しむという目的にはうってつけのシステムです。

ただし『TRICK×LOGIC』のシステムはいいところだけではありません。
事件の全容を理解してるにも関わらず『ナゾ』や『ヒラメキ』が発見できず、詰まってしまう場合があるのです。
その意味では『かまいたち』は限られた選択肢しかないため、全容がわかれば多少の引っ掛けはありつつも正解にたどり着けるでしょう。
逆転裁判』、『TRICK×LOGIC』は選択肢ではなく証言と証拠品、ナゾとキーワードの組み合わせとなるため、詰まる可能性は高まります。

特に『TRICK×LOGIC』は後半の作品になるにつれテキスト量・キーワードともに増えるため、組み合わせ数がうなぎのぼりです。
例え事件の全容がわかっても『ナゾ』、『ヒラメキ』を発見するのがつらい場合があります。
まぁフォローとして推理が上手くいっていないときに解決の糸口(成績のランクダウン)をもらえたり、助手(?)が『ナゾ』を持ってきてくれたりするので完全に詰まることはないと思うのですが。

ストーリーへの感情移入であれば『逆転裁判』、『かまいたち』の順になり、『TRICK×LOGIC』はやや後退するでしょう。
前者二つは個性的なキャラが多いのに加え(特に逆転裁判は魅力的なキャラの宝庫です)、主人公たちが危機的状況になることも多く、目が離せません。
その点『TRICK×LOGIC』は安楽椅子探偵ものというか、現場に出歩くことがなければ危機に陥ることもなく、ドラマ性は低いです。

ただ、これは必ずしも悪いことだけだとは思いません。
先ほどのシステムの話でも厳密な推理を楽しめると言いましたが、それに加えて主人公の周りのドラマ性も排除することで、純粋に推理に挑むというコンセプトが浮き彫りになっているように感じます。
「ミステリ作家からの挑戦状!推理バトルキャンペーン」という
公式のキャンペーンもその側面をかなり後押ししていたと思います。

なので本作は物語の中の探偵と犯人の知恵比べというよりは、推理小説作家とプレイヤーの知恵比べの側面が強いでしょう。
ゲームを通じてゲームマスターや他のプレイヤーとの交流を楽しむ、テーブルトークRPGの雰囲気に近いとも言えるでしょうか。

というわけで純粋な推理ゲームとして『TRICK×LOGIC』はかなり当たりに感じました。

ただ不満な点もいくつかあります。

まず声が当てられている部分が少ないところです。
導入部分と事件解決後はしゃべるのですが、推理中は基本的にボイスなしです。
なのでせっかくのデーモン閣下のお声も拝聴する機会が少なめです。
PVではバリバリしゃべっていただけに、ちょっと調子抜けでした。
ムービー|TRICK×LOGIC(トリックロジック) | プレイステーション� オフィシャルサイト

また解決編などのスキップ機能もやや弱いです。
既読・未読の判定がないのがきつく、その調整用なのか速度も遅めです。推理が苦手で何度も解決編をプレイすることになったり、周回プレイをする場合はちょっと苦痛を感じるかもしれません。
(そもそも逆転裁判と同じで一回クリアしたら終わり、というゲームっぽくもありますが)

とはいえ、推理に集中させる作品の作り、それを煽る前述のキャンペーン、そしてそれと連動してシーズン2の各話を毎週DL配信するという売り方など、推理に夢中になれる環境作りはかなりセンスを感じます。
最終話の解決編が出る9/2まで毎週の楽しみが出来ました。

(2013/2/20)
現在では後半の5話が入ったSeason2もDLだけでなくパッケージでも発売しています。
前半に比べて文章量、キーワードが多くなったように見受けました。
また謎やトリックがやや大胆なものが多く、緻密さより発想が重要になっているようにも感じました。

そして文章量、キーワードの増加で謎はとけているのに解答が導き出せない展開になりやすくなった気もします。
ただSeason1を十分に楽しめた人ならばそこまで気にならないかもしれません。

興味のある方はとりあえず1をプレイしてみてはいかがでしょうか。