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藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

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明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 ってどういうことだい!?

答え:自分の身体が女の子の意識に乗っ取られる。
まぁその翌日にはまた主人公の坂本くんの意識が戻ってくるという一日交代制なのですが。

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 は第19回電撃大賞金賞作品。
夢前光という少女の事故死の現場に偶然出くわした主人公坂本くんが、自分の寿命の半分で彼女を助けたいと思ったところから冒頭のような生活をすることになるお話です。

主人公が男女入替るというのでMAZE(メイズ) 爆熱時空を思い出して懐かしさを感じてみたり。
舞台が異世界ではなく現代、三人称ではなく一人称の文章と、しみじみライトノベルの移り変わりを感じる昨今です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

とは言っても、MAZEを思い出したのは設定だけ。
本作は主人公の坂本くんが身体を分け合うことになる光ちゃんのスーパー行動力を楽しむ作品と言っていいかと思います。
意識が光ちゃんになっている間の出来事は、基本あとから坂本くん視点で情報を知るしかないです。
その光ちゃんの行動力がマジヤバぶっ飛び大勝利ですよ。

序盤は慣れない共同生活(身体)に光ちゃんが慣れておらず、無意識に女の子の身体の頃と同じ行動をしたのせいで坂本くんがふんだり蹴ったり。
その身体に慣れてきた中盤からは光ちゃんが世のため人のため坂本くんのために行動することで坂本くんの人生にうるおいが!
そして物語終盤にかけては坂本くんが生前の光ちゃんのために…。

終盤ヒロインのために主人公が行動するというのは定番といえば定番なのですが、一日ごとに主人公が干渉できない時間がくる、ヒロインと面と向かって話ができないなどのギミックのおかげもあって、最後までワクワクしながら楽しめました。

光ちゃんの行動が予想がつきにくいのに対して、出来事についてはなかなか共感できるところがあるのはぐっと物語との距離感を近づけてくれました。
坂本くんが我を忘れてしまう時の反応なんていいですね。

その勢いのままに腕立て伏せをハイスピードで繰り出しながら「なめこなめこなめこなめこなめこ!!」などと叫びつつ、枕相手にジャーマンスープレックスをかますというぶっ壊れた奇行に身を任せること十数分。
藤まる『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 』(電撃文庫) P88

謎の興奮に任せて町内を一周してきた俺は、部屋に飛び込んだ後も勢いそのままに自衛隊式腹筋を一メニューこなした後、逆立ちして「しめじしめじしめじしめじしめじブナシメジッ!!」と叫んで頭からずっこけたところでようやく正気に戻った。
藤まる『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 』(電撃文庫)P156

この辺私、高校生どころか大学、社会人になってもこんな感じになる瞬間ありますからね。
変な行動したり不思議なひとりごと言ったり。

光ちゃんの行動もぶっ飛んではいるんですがどこか身近にも感じ部分もあったり。
2ちゃんにお前のスレ立ててやったぜ!とかマジでやれそうでダメージもデカそうでヤバイ。

あとゴラァのマーチ1週間分で勘弁してやる、なんて言われて坂本くんが健気に買いに行ったりするのが面白いシチュエーションです。
おんなじ身体つかってるから、食べてしまえば同じなのにね。
あと2人の財布は共通なんですけどね。

そんな一つの身体を2人で使うという不思議なシチュエーションを存分に楽しめる作品でした。
妹とかクラスの女の子とか保健室の養護教諭だとか他校の男子生徒とかもなかなか楽しめる性格をお持ちでしたので、ハイテンションな笑えるお話を好む人にはぜひともおすすめしたいです。

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)
明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)