藤四郎のひつまぶし

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はたらく信号機!


はたらく魔王さま! では信号機をよく見かける。

1話冒頭で日本に来たばかりの魔王サタンとアルシエルが街をさまよう場面。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』1話

1話後半真奥と芦屋の回想

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』1話

1話ラストから2話冒頭にかけての魔王と勇者エミリアの一悶着。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』1話、2話

2話後半魔王とエミリアの待ち合わせから敵の襲撃。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』2話

3話の魔王とバイトの後輩千穂の待ち合わせ。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』3話

この信号機の出現頻度は割と珍しいのではないだろうか?

設定的な話

はたらく魔王さま! は意外とメインキャラクター同士の接点となる場所が少ない。
魔王とアルシエルは自宅(魔王城)、魔王と千穂はバイト先のマッグぐらい。
魔王とエミリアに至っては3話時点で日常生活で定期的に顔を合わせる場所というものがない。

そして魔王の基本的な生活範囲である、自宅とマッグは部外者を呼ぶにはハードルが高い。
しかも魔王たちはお金を湯水のように使える状況ではないため、喫茶店のようなお金のかかる施設にも入りづらい。
部室や教室といった施設が使える学園物、基地などの共有スペースが使えるロボット物、バトル物と同じようにはいかない設定だ。

だがそういった施設が使えなくても、公園などの腰を下ろせる、落ち着いた場所も舞台にできるはずだ。

演出的な話

信号は車両用で赤と青(緑)と黄色、歩行者用で赤と青が使われている。
赤は血を連想するからか、興奮だったり闘争心、危険といったものを呼び起こすイメージがある。
それに対して緑はのどかな野山を連想するからか、リラックス、安全などのイメージがある。
信号機でも赤は止まれ、青は進んで良しを表している。
はたらく魔王さま! の信号機にはそういった色のイメージを利用して作中の雰囲気をコントロールする意図が見受けられる場面もある。

例えば1話ラストから2話冒頭のエミリアと対峙しているシーン。
最初勇者エミリアとは気づかず、その後もことを荒立たせたくない魔王の後ろに見える信号は青。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』1話、2話

しかし魔王をここで討ち果たす勢いのエミリアが絡むカットでは赤。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』1話、2話))

その後エミリアのナイフが100均のものだと指摘されると信号が赤から青に変わる。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』2話

しかし気をとりなおしたエミリアが映るカットの信号は赤。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』2話

2話後半でも魔王が本性を見せたところでは信号が赤になっていたりする。

和ヶ原聡司/アスキー・メディアワークス/HM Project『はたらく魔王さま!』2話

まぁ交差点が舞台になったのは映像のついていない原作小説からそうなので、この演出をするために交差点が舞台になっているわけではないと思うが。

深読みの話

魔王とエミリアは現代日本の住民ではなかった。
特にエミリアに関しては現代日本自体に思い入れはなく、魔王討伐のために立ち寄った通過点の一つでしかないだろう。
魔王は地球も征服する意志があるのでやや事情は違うが、今の生活のまま人生を終えるつもりもない。
現代日本は、2人の目的からすれば通過点の一つだ。
そして通過点でありながら、魔王もエミリアも仕事仲間という新たな出会いも経験している。

信号と交差点という舞台は魔王やエミリアが目的地や帰る場所ではない道の途中で、様々な人と交錯することを示している、なーんて深読みもできなくはない。

ストーリーの話

実際のところは生活範囲の問題に加えて、喫茶店に入るお金がない、公園は魔王と勇者が都会でバイトをするという作品の基本部分からやや外れる、そして交差点なら人が多くても少なくても不自然でない、といった雰囲気とストーリー面の関係から交差点が舞台になっている気がする。

演出なんかはそこが舞台になっているからこそ生まれたもので、珍しさのおかげで印象に残りやすかったのかもしれない。