読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

お気に入り+このサイトの新着記事

社畜にも見てほしいシュガーラッシュ

先日見てきたシュガーラッシュはとても満足感がありました。
レトロゲームから最新ゲームまで様々なゲームへの愛情と尊敬が見て取れます。
コミカルでかわいいいたずらっ子、ヴァネロペは見ていてあきません。
そして悪役のラルフを通して、社会のおける自分の役割との付き合い方を描いており、最後には現実に生きる人たちへのエールも感じました。

レトロ最新を問わないゲームへのリスペクト

私がシュガーラッシュを見に行ったきっかけの一つが日本のゲームキャラが登場することでした。
本作の主人公ラルフの作中ゲームでの役回りは悪役。
その悪役たちの集まりに、クッパやザンギエフパックマンの敵役グズタなどが登場します。

原作ゲームのような雰囲気を纏いながらも、ゲームの中では見られない一面を見せてくれる彼らを見るのは、それらのキャラと遊んできた私にとってかなりニヤリとできる一幕です。
また悪役以外にもリュウやケン、ソニックといった主役キャラたちが画面に表れ、そのキャラらしい行動、ちょっと意外な一面を見せてくれます。

素晴らしいのはそれらの知っている実在キャラ、知らない実在キャラ、本作オリジナルキャラのやりとりに、違和感といったものが見受けられないことです。
もともとは時代も違えば、ゲーム機の性能も、ゲームジャンルも違う彼らです。
一同に会せば違和感の一つも出そうなもの。
それをキャラのデザインとニュアンスを保ったまま違和感のないようにバランスをとっています。

もう一つ素晴らしいところは、レトロゲームと最新ゲーム、ゲーム機の違いは個性であってどちらがいいなどの優劣では語らないところです。
本作で大半の時間を過ごすことになるシュガーラッシュの世界は、やや最近のゲームといった雰囲気でしょうか。
そこにレトロゲームの悪役キャラ、ラルフが来るとなると、レトロゲーム礼賛になってしまう可能性もあります。
しかし本作では最新ゲームのキャラもシュガーラッシュの世界にやってきて、両方共活躍することになります。

本作で意思疎通ができないキャラというのは出てくるのですが、そうでない理性的なキャラは分かり合えることが示されます。
それが最新ゲームとレトロゲームというかけ離れた世界であっても。

そういう描き方は昔のゲームを愛する人も、最新のゲームを楽しむ人もどちらも楽しめるものになっています。

ヒロインの少女ヴァネロペの可愛さ


ラルフがシュガーラッシュの世界で出会うヴァネロペはとても魅力的なキャラです。
ヴァネロペは人をからかうのが好きで、身のこなしもよく、憎たらしさとコミカルさと愛らしさのいずれも備えています。
そしてヴァネロペは失敗を恐れない、前向きで、諦めない子でもあります。
そんな彼女の前に困難が立ちはだかったとき、ラルフでなくとも助けたいと思うでしょう。
そしてその困難をうまく解決できたときのヴァネロペの大げさな喜び方は、心に潤いを与えてくれます。

私がシュガーラッシュを見に行ったきっかけのもう一つが、ヴァネロペの声を諸星すみれさんが演じることでした。
諸星すみれさんはアイカツ!星宮いちご役の声優さん。
アイカツ!でもひたむきに前向きないちごの魅力を担っているその声は、シュガーラッシュでも存分に発揮されていました。
主人公のラルフの声優さんはエヴァの加持さん、攻殻機動隊のトグサ、ルパン三世の銭形警部などを演じる山寺宏一さん。
並々ならぬキャリアと実力の持ち主です。
その山寺さんに対して、弱冠14歳の諸星すみれさんはまったく劣ることなくキャラの魅力をひきだしているように感じました。

悪役とヒーローの二項対立ではない、自分の居場所・役割を見つける物語

ラルフとヴァネロペに共通するものに自分の居場所が挙げられます。
ラルフはゲーム内では悪役として他のキャラから嫌われて、住む家もないというひどい状態です。
ヴァネロペはプログラムのバグとして他のキャラに厭われ、必要とされていない存在です。
似たような境遇に見える2人ですが、行動は微妙に違って見えます。

ラルフは自分の今のような扱いは不当だとして怒りに基づく行動をとり他の人に迷惑をかけていきます。
それに対してヴァネロペは他の人に厭われようとも、自分のやりたいことにひたむきに突き進んでいきます。
そんなヴァネロペを見て、ラルフは少しずつかわっていくように見えました。

ラルフは最後には自分の居場所と役割を見つけ、他のキャラにも受け入れられ、自分もそれに満足感を得ているように見えました。
そしてそれはなんらかの居場所と役割を求めている現代社会に生きる人の一つのモデルケースのようにも見えました。

例え万人に好かれる役割でなくても、自分なりの満足を見つけられれば前向きに生きていける。
どんな過酷な仕事であっても、やりがいさえあれば馬車馬のように働くことができる。
そんな社畜養成アニメとしても、素晴らしいアニメ

…というふうにまだシュガーラッシュを見ていない人に説明したら、
「見てないけど社畜どうこうの部分は絶対違う」と断言されました。

万人におすすめできるアニメ

ゲームが好きな人、社会で自分の居場所、役割といったものを求めている人にはぐっとくるものがあるであろう作品でした。
イタズラ好きな幼女が好きな人もチェックしておくべき作品です。
そしてシュガーラッシュ世界のメルヘンさ、レトロゲームの世界やヴァネロペとラルフの織りなすてんやわんやのコミカルさなど、ライトに楽しめる要素も目白押しです。

つまりはだれでも楽しめます。
少しでも気になる部分があればぜひ映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

シュガー・ラッシュ オリジナル・サウンドトラック
シュガー・ラッシュ オリジナル・サウンドトラック