藤四郎のひつまぶし

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今期アニメの特徴的な設定から見える、現代日本の空気

2013年5月現在、日本では多様なアニメが放送されている。
その中には物語が男の子と女の子の出会いから始まるなどのお約束とも言える設定を持つアニメもあれば、そうではない特徴的な設定を持つアニメもある。

2013年4月開始アニメではなかなか特徴的に見えるが、複数のアニメで採用されている設定があった。
今回はそれらの設定について考えたい。

店舗経営

2013年4月開始アニメで目立つ設定の一つに、店舗経営をストーリーの中心の一つに据えるというものがある。
具体的にはジュエルペットハッピネス、プリティーリズムレインボーライブ、百花繚乱サムライブライドの三つになる。

'08,'13 SANRIO/SEGA TOYS サンリオ・セガトイズ/ウィーヴ・テレビ東京ジュエルペット製作委員会『ジュエルペットハッピネス』1話、T-ARTS/syn Sophiaテレビ東京/PRR製作委員会『プリティーリズムレインボーライブ』4話、2013 すずきあきらNiθホビージャパン/百花繚乱SBパートナーズ『百花繚乱サムライブライド』1話

これらアニメではほぼ新規の店舗を経営することになるが、順風満帆のスタートとは言えない。
ジュエルペットハッピネスのカフェは1話からボロボロであり、プリティーリズムレインボーライブのお店はオープンして1週間ガラガラであったことが4話で語られている。
サムライブライドについても元々は道場であったが、資金難でメイドカフェをすることになったという背景がある。

アメを舐める女性キャラ

もう一つ目立つ設定として、アメを舐める女性キャラの多さがある。
具体的にはデート・ア・ライブで主人公の妹であり命令を出す司令、五河琴里、銀河機攻隊マジェスティックプリンスの主人公たちの教官、スズカゼ・リン、変態王子と笑わない猫。の無表情ヒロイン、筒隠月子の三人だ。

2013 橘公司・つなこ 富士見書房/「デート・ア・ライブ」製作委員会『デート・ア・ライブ』1話、創通・フィールズ/MJP製作委員会『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』1話、2013 さがら総メディアファクトリー/「変猫。」製作委員会『変態王子と笑わない猫。』2話

彼女たちは、主人公に対し優位に立場にあるという共通点もある。
琴里とリンについては主人公に命令を出す立場の女性であり、月子についても主人公の陽人を変態さんと罵っている。

となれば一つ思い浮かぶ言葉がある。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」
これは身分の高い女性が庶民の暮らしに疎いことを表すエピソードとして使われることのある言葉だ*1
彼女たちはまさにこの言葉を実践している女性と言える。

アニメから読み取れる日本の縮図

これら2つの特徴的な設定は、今の日本の縮図と言えるのではないか。
あるものは成功し、庶民とは全く違う貴族のような暮らしをする。
パンの代わりにお菓子を食べるような。

庶民は成功するかわからない仕事をしながらも、そんな姿を追い求め、成功しようともがく。
自己啓発書が多くの書店に並んだり、ウェブサイトでライフハック系の記事がアクセスを集めるのもそんな背景からであろう。

もちろん特徴的な設定でも、それを採用するのが一作品だけであればスタッフの趣味や偶然と片付けられる。
しかし二作品となれば単なる偶然だけとは言いがたい。
三作品同じ特徴的な設定があれば、それはもはや必然といっても良い。

日本の現状がこれらのアニメの設定に無意識化に影響を及ぼし、2013年4月開始アニメでそれらが一気に見られるようになった。
そう考えるのが一番しっくりくるのだ。

結局、偶然で候
結局、偶然で候

*1:ちなみにこの言葉はマリー・アントワネットの言葉と紹介されることが多いが、彼女がこの言葉を使ったという記録はなく、むしろ逆に彼女は慈善家であり、貧しい人々の姿に心を痛めていたとも言われている。ケーキを食べればいいじゃない - Wikipedia はてなブックマーク - ケーキを食べればいいじゃない - Wikipedia