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優しさに包まれていたアイカツ!32話


アイカツ!32話『いちごパニック』がとても良かった。

32話『いちごパニック』はアイカツ!の主人公、星宮いちごが仲間と出演するライブと単独CM出演を両立させることになる話。
もともと仲間5人でライブに出ることになっていたいちごの元に、単独CMのオファーが来るところから物語が始まる。
ここからのいちごを取り巻くキャラたちの言動が、見ていてとても気持ちよかった。

まずいちごの仲間たち。
CMのオファーを聞いたいちごは早速仲間に報告する。
そこで仲間もライブとCMのスケジュールがかぶっていることを知る。

ライブの方が先に決まっていたという理由でCM出演を諦めようとするいちごに、4人は迷うことなくライブを諦め、CMを選ぶよう勧める。
それでもライブを諦めきれず、両方やると決めたいちごに対しては、休み時間と夜は特訓だ、寝かせないからね、などと言いつつも、フォローをすると約束する。

予想されたことながら、いちごはCMの打ち合わせや で練習の時間も体力も削られ、満足に一緒の練習ができない。
しかし仲間たちはそれに文句も言わず、逆にいちごが疲れている時はマッサージをしたり、先の言葉を覆してそのまま寝かせてあげたりしている。

SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYOアイカツ!』32話

その上撮影の合間にイメージトレーニングができるように、ライブに出場しないさくらの協力を得て振付の動画を作ったりしている。

SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYOアイカツ!』32話

最初にライブは諦めるように言ったり、特訓はきちんとやると決めていたりすることもあって、馴れ合いではない、本当にいちごの成功を願い、高め合う仲間としての優しさなのだと思わせる展開だ。

そしていちごに向けられる優しさだけでなく、いちごから周りへの優しさも描かれる。
CMの打ち合わせで練習に遅れて来たいちご。
そのいちごにさびしかったと抱きついたおとめに対して、後日いちごはエンジェリーベアを送る。

SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYOアイカツ!』32話

いちごが一方的に優しさを受け取るだけでなく、いちごも周りへの優しさを忘れないのだ。

この双方向の優しさがよく分かるのが、エンジェリーベアを作った天羽デザイナーといちごのやりとりだろう。
CM撮影で休憩に入ったいちごに、天羽デザイナーがくもりでも紫外線はあるのよ、と日傘を貸す。

SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYOアイカツ!』32話

そのまますべり台で話をしたあと、すべり台を降りてきた天羽デザイナーにいちごが手を貸す。

SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYOアイカツ!』32話

この他に先生陣もそれぞれ違った形でいちごを気にかけている。
学園長はライブとCM両方がんばりたいという星宮の意思を尊重し、ライブとCMの両方をやることに口出ししない。
ジョニー先生は本気でいちごの無茶なスケジュールを心配し、学園長に見守りなさいと言われてからは、ダンスの参考動画の撮影係や車を出すなど最大限の手助けをする。

32話では、このような優しさの表現はあまり強調されていない。
むしろ肩肘張らず、とても自然に、これが当たり前のように描かれている。

アイカツ!にスーパーバイザーとして参加している水島精二監督はこんなことをインタビューで答えている。
アニメ「アイカツ!」スーパーバイザー:水島精二氏にアイドルについて聞いた! アイドルってなんぞ? (1/3) - ねとらぼ はてなブックマーク - アニメ「アイカツ!」スーパーバイザー:水島精二氏にアイドルについて聞いた! アイドルってなんぞ? (1/3) - ねとらぼ

 実は最初、「アイカツ!」の監督をやらないかというオファーがあったのですが、ちょうど他の作品とバッティングしてしまってお断りしたんですよ。そこで、「木村隆一さんに監督をしてもらい、水島さんがバックアップするというのはどうですか?」という提案をいただきまして。

 木村さんには、「夏色キセキ」や「はなまる幼稚園」といった少女を描く作品を監督したときに、副監督として腕を振るってもらっていて、彼の素直な作風やにじみ出る優しさには感心していて「この作品には向いているな」と思い快諾しました。

 実は当初、シリーズ後半に、葛藤というかドロドロとした人間関係の要素も入れる予定だったんです。でも、数話放送された後、「そういうのは一切いらないじゃん!」と思いました。

32話の複数のスケジュールが被り、仲間と練習する時間が取れないというエピソードは、仲間との確執やスレ違いなどを中心とした描き方も出来たかもしれない。
しかしアイカツ!はそのような描き方をしなかった。
アイドル活動の大変さ、厳しさとともに仲間や周りの人の優しさをさり気なく描き、笑顔というキーワードを得てライブ、CM両方の成功までを描ききるのがアイカツ!のやり方なのだと思う。

余談だが、以前の話数で出てきた芸能界ではいつでもおはようございますとアイサツをするという話が、CMの監督にいちごがアイサツをする場面でさり気なく生かされている。

SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYOアイカツ!』32話

この自然さと一貫性がアイカツ!なんだなーと思う。

アイカツ! 4(初回封入限定特典:DVDオリジナル アイカツ!カード「ガーリーいちごワンピ」付き)
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