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藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

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再掲:男子にもおすすめしたい薄桜鬼碧血録

再掲 アニメ 薄桜鬼 ストーリー 感想

※本記事はジャムミックス!で2010/11/23に投稿した記事を修正・追記・再編集したものです。

薄桜鬼碧血録がかなり面白いです。
女性向けアニメだから自分には楽しめないだろうと思って一期を見ていなかった昔の自分を殴り飛ばしたいぐらい面白いです。
歴史上の敗者の視点から描く、儚くも芯のある男たちの話がとても魅力的です。

薄桜鬼は新選組が幕末の世をどのように駆け抜けていったかを、新撰組にその身を預けた雪村千鶴という女の子の目を通して見ていく物語です。

普通の新撰組ものにアクセントを加える要素として、変若水(おちみず)という薬の存在があります。
これは飲んだ者を人の限界を超える力を持つが、日光が苦手で吸血衝動がたびたび起こる羅刹という存在に変えてしまうものです。

この設定のおかげで史実では戊辰戦争前に死んでいる山南さんと藤堂平助が物語後半でも活躍していたりします。
新選組で総長の地位にあった山南さん、そして試衛館時代からの仲間であった藤堂平助を表向きは死んでいるが、実際は羅刹として生きているという形で史実をあまり弄らずに生存させているのが個人的にはかなり良い感じです。

もう一つこの作品特有の要素として、羅刹のオリジナルともいうべき鬼の一族が登場します。
鬼は羅刹と同様の超人的力を持っていますが、どうやら短所はないようです。

私はこの辺の羅刹と鬼の設定が本作の肝で、新選組は導入のためのフックだと思ってました。
ところが少なくとも碧血録では羅刹と鬼の設定のほうが脇役で、鳥羽伏見の戦いの後の新選組の転戦のほうがクローズアップされています。

史実でもそうですが、新選組は旧幕府側の組織。
鳥羽伏見の戦いで負けたのちは基本的に東へ、北へと敗走を重ねることになります。
また途中で隊士の脱退や捕縛、戦死などが相次ぎます。

薄桜鬼のアニメでも表向きはこのような史実をなぞるようにストーリーが展開されていきます。
本作の主役であろう土方歳三隊士たちをどんどん失っていき、武士になって成り上がるといった目的も遠くになりながら、それでも散っていった仲間たちのため、残っている仲間のために先のない戦いに身を投じていく姿が悲しくも熱く、目が離せない作品になっています。

特にここ数話の話はかなり熱く、悲しい展開になっています。
直近の19話、天道の刃などは破壊力がすさまじかったです。

19話天道の刃で特に私のハートを振るわせたのは会津藩士のれっきとした武士である正木と、成り上がりものであるところの新撰組の斉藤が、真の武士とはなんなのか、お互いに影響をうけあうところです。

会津藩士と共に戦うことになった斉藤ですが、新撰組会津藩士の習慣の違いでその連携は完璧には程遠いものでした。
新撰組内のくん付け、軽装、右差しの刀などを正木に咎められ、戦場では命令違反をされるというひどい対応をされました。
しかし斎藤は戦いに必要なことについては反論するものの、そのこだわりを武士らしさとして前向きにとらえていました。

その斉藤に対して、正木は戦場での経験を通じて斉藤の正しさ、強さを認め、軽装や右差しを非難した非礼をわびます。
尊敬できる相手は尊敬し、自らが間違っていたときはそれを正せる素直さが会津藩士たちにはありました。

そうしてお互いの考えを理解することが、この話数のクライマックスである母成峠の戦いでの正木と斉藤の会話に繋がってきます。
砲撃を受けた正木に対して斉藤は「正木くん」ではなく、「正木」と呼びかけ、その後「正木殿」と会津藩士たちの間での呼び方へと変化します。

このあと、仙台に転戦する土方たちに対し、斉藤は会津に残ります。
正木が斉藤に武士の魂は形ではない、と気づかされるのと同じく、斉藤も会津藩士に武士の魂を感じ、残る決心をしたのです。
負傷した土方に代わり、斉藤が隊の指揮を執っていたことが、会津藩士との関わりを濃くし、土方と道を分かつことにつながる展開が熱くて悲しいです。

土方は鳥羽・伏見で総大将の慶喜公に見捨てられ、江戸では近藤さん、そして会津では直属の主と信頼する部下を見捨てることになって相当応えるはずです。
真の武士、一角の武将になるという夢もほぼ潰えつつも、死んでいった仲間の意思と今いる仲間の命のためにはいつくばってでも前に進むしかないという悲壮さはなんともぐっとくるものがあります。

次回予告では平助と山南さんに暗雲が立ち込めており、ホント毎回のようにぐっとくるポイントがあります。
もし最初から自分の守備範囲外だと思って見ていなかったら、一度試しに見てほしい作品です。

薄桜鬼 碧血録 第一巻 〈初回限定版〉 [DVD]
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(2013/6/5)
とまぁこの頃から女性向けと思われるアニメも、まずチェックしてみるようになりました。
うたの☆プリンスさまっ♪だったり、緋色の欠片だったり、楽しめるアニメの幅が増えてきた気がします。
今年は京都アニメーションってことで放送前から話題になっているFree!というアニメもあるのでそちらもどんなアニメになるのか楽しみです。