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藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

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いつ泳ぐの? 今でしょ!

Free!が面白かった。

最終回がこんな展開になるとは1話の時は全然思っていなかった。
最終回前、11話を見終わった段階でも最終回の展開は想像できなかった。
それでいて最終回を視聴した後はしっかりストーリーがまとまっていると感じられた。
最終回でこんなに意外性を感じて、かつスッキリまとまっていると感じる作品はなかなかない。

11話途中までは最終話の12話では凛と遙がメドレーリレーで再対決か、と思っていたが、11話ラストでまさかの凛がリレーメンバーから除外。
凛が岩鳶の方ばかり向きすぎていて、鮫柄のメンバーは数合わせにしかなってないのでは? むしろ誰がメンバーなのかもわからないが盛り上がるのか? といった不安が一気に吹き飛ぶ流れだった。
それと同時にここから1話でどうまとめるのかという不安もあった。

そもそも1話の段階ではタイムに興味のない遙がガッチガチの勝利主義者の凛に引っ張られる形で水泳部に参加し、大会で決着をつける流れなのだと思っていた。
そういうストーリーであれば凛と遙が別の学校であるのいうのはごくごく自然。
違う学校にいる過去の仲間と対決するという流れは、メジャーの吾郎と佐藤、ちはやふるの千早と新なんてところがすぐに思い浮かぶ。

その1対1の流れが一段落するのが7話。
凛と遙の対決が県大会で実現、凛が勝ち、遙が決勝進出を逃すというほぼ完璧な勝負のつき方だった。
この展開には戸惑いを隠せなかった。
あと話数は半分近く残っているんだがどうするんだ? と。

ここからの展開はこちらの心情に寄り添うものになっていた。
遙と凛の泳ぐ理由に焦点を当ててくるのだから。
これまで周りの雰囲気に飲まれている感が否めなかった遙。
なぜ遙との対決にこだわっていたのか、何をしたいのか見えてこなかった凛。
直接対決が終わり、ポッカリと空いた心の空白を埋めるかのような展開だった。

そこからわかってくる2人の本当の気持ちはチームで泳ぎたいというもの。
だが当然のことながら学校が違えば大会で同じチームで泳ぐことはできない。
はっきり言って11話の段階では設定が足を引っ張っているのでは? と思わざるを得なかった。

そこがFree!
常識にとらわれない解決方法を提示してきた。
むしろ逆に自分がどれだけ常識に囚われていたのかと脳天をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。

凛は遙たちと泳ぎたい。
じゃあ泳げばいいじゃん、というシンプルな発想。
学校の違いも地方大会という大舞台も関係ない、今泳ぎたくて泳げる場所があるから泳ぐぜ、というどストレートの考え。
県大会突破して、学校から期待されて送り出されて、前日ホテルに宿泊して、なんてところも全く気にしない。
どんな無法だ。Freeすぎる。

これが序盤のリフレインっぽくなってるのは果たして偶然なのか。
思い返せば1,2話では遙たちがスイミングスクールや鮫柄のプールに忍び込んで無断で泳ごうとしたり、泳いだりしてる。
泳ぐことの方が規則などの上位に位置するのは変わっていない。

序盤との比較で言うと、最初は1人で泳ごうとする遙と凛が、チームとして泳ごうとする変化も描いている。
1話2話での凛と遥の対決ムードは最終回では見られない。
遙の髪を振って雫を切る仕草、凛のゴーグルを引っ張る仕草が最終回の泳ぐところでは見られないのに、真琴が手を差し伸べるシーンはしっかりあるのも、個人ではなくチームを描くことに関係がありそうな気がする。

この変わる気持ちと変わらないテーマというバランスは絶妙だった。

最終回の鮮やかな展開に心奪われたが、中盤から終盤にかけての心理描写もたまらないものがあった。
真琴と遥の言葉を交わさずともお互いの気持ちを察するところや、凛と遥の離れていてもお互いが気になって仕方がないといった様子、怜が自分の気持ちに素直でありつつ、他のメンバーの希望を叶えようと奮闘するところなど、ぐっとくるポイントは数え切れない。

贅沢を言えば序盤のキャラ付け、水着エプロンとサバなんかが終盤や過去のエピソードに関わっていたら個人的にはさらに収まりが良かったのだが、それで面白くなるかは良くわからない。
十二分に楽しめる作品だった。

TVアニメ Free!ドラマCD 岩鳶高校水泳部 活動日誌1
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