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藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

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機巧少女の涙というモノ

アニメ「機巧少女は傷つかない」は機巧魔術が隆盛を極めているという設定の大英帝国リヴァプールを舞台に、家族を殺した兄への復讐に燃える人形使い赤羽雷真が、そのパートナーである着物姿の少女型をしたオートマトン夜々とともに織りなす物語です。

原作は海冬レイジ先生がMF文庫Jにて執筆しているライトノベル
私もちょうどTV放送されているあたりのエピソードが収録されている2巻まで読んでいます。

ツボを押さえた設定と読ませる話運び『機巧少女は傷つかない』 - 藤四郎のひつまぶし はてなブックマーク - ツボを押さえた設定と読ませる話運び『機巧少女は傷つかない』 - 藤四郎のひつまぶし

原作を読んだ時は異国情緒と和の雰囲気のバランス、登場キャラの心情を追いたくなる話運びなどに魅了されました。
そしてこのたびのアニメ化ではまた別の部分にも魅力を感じました。
一つは1話冒頭を筆頭にする手書きと3DCGを交えたアクション。
そしてもう1つがこの記事で扱いたいヒトとモノの狭間に在る夜々の表現です。

本作のヒロイン*1夜々は笑顔が可愛らしく、怒った表情もとてもキュートです。
雷真に少しでも他の女の匂いがした時の嫉妬姿は、時に人間以上に人間らしいとも言えるかもしれません。

その人間らしさは彼女が泣く時にも感じられます。

ただ一点、彼女の涙が結晶化し、カラカラと音を立てて転がり落ちることを除けば。


2013 海冬レイジメディアファクトリー機巧少女は傷つかない製作委員会『機巧少女は傷つかない』2話

彼女の人間離れした部分は、戦闘での俊敏な動き、列車をも止めるパワーなどからも見て取れます。
ですがパートナーの雷真も多かれ少なかれ常人離れした動きを見せ、夜々と同じく戦場を駆けまわります。
私はそんな戦闘パートからは、2人に大きな違いを感じることはありません。

むしろ私としてはこのモノとして転がり落ちていく涙こそが、モノとしての夜々とヒトとしての雷真を分かつ最大の要素のように思いました。

2013 海冬レイジメディアファクトリー機巧少女は傷つかない製作委員会『機巧少女は傷つかない』5話

夜々「人間の女の子は…ずるいです。夜々だって、もし…人間になれたら…」
シグムント「もし君が人間の少女であれば、雷真を護ることはできないだろう」
シグムント「君は極めて優れたオートマトンだ。彼が必要なのは、どこにでもいる普通の少女ではなく、君のような存在なのだ。それでも君は、人間になりたいと思うのか?」
夜々「夜々は…人形で、いいです」

2013 海冬レイジメディアファクトリー機巧少女は傷つかない製作委員会『機巧少女は傷つかない』5話

復讐という目的がある雷真の役に立とうとするならば、人形でなければならない。
しかし雷真が復讐に燃え、人形使いになろうとしなければ、そもそも二人は出会わなかったかもしれない。
現時点ではそんなパラドックスをはらんだ2人の関係が、今後どんな風に展開していくのか楽しみです。

…といっても原作は12巻まで出ているということなので、TVシリーズではそこまで大きな進展はなさそうな気もしますけど。

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余談となりますが、涙の結晶化といえばドラクエ4のロザリーを思い出します。
ロザリーは涙がルビーになるエルフですが、それを狙った人間によって殺されてしまいます*2
ロザリーについては涙がモノになるために人間(じゃなくてエルフですが)ではなくモノとして扱われ、夜々についてはモノであるからこそ涙もモノになる、みたいに原因と結果が逆になってるかもなー、なんて思います。

*1:

*2:記憶が微妙。エビルプリーストが裏で糸を引いていたハズなので、魔族の自作自演だったかも