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藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

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教室

まずはこの画像を見てもらいたい。
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しゃんぐりら『暁の護衛』体験版



どんな印象を受けただろうか?



自分は違和感を覚えた。
最初は教室後方を映している絵だと思った。
しかし教卓があること、机と椅子が教卓を向いていることを考えると、教室前方を映していると考えるのが自然だ。
第一印象と論理的に考えて導き出せる結論が乖離しているため、違和感があったのだ。

自分の第一印象と論理的な結論が乖離した理由は簡単に説明できる。
自分は教室前方の出入口が、生徒側から見て左側に配置されている教室をほとんど見たことがないのだ。

小中学校、高校の全学年で教師はいつも前方の黒板向かって右側から教室に入ってきた。
そして左に窓があった。
おそらく現実だけでなく、フィクションでもこの配置が多いか、あるいはほとんどだろう。

実際に今放送中のアニメを軽くチェックしてみる。

左:荒井チェリー一迅社・未確認で進行形製作委員会『未確認で進行形』1話
右:タチ・芳文社/桜Trick製作委員会『桜trick』1話

左:水薙竜講談社ウィッチクラフトワークス製作委員会『ウィッチクラフトワークス』1話
右:森繁拓真/株式会社KADOKAWA メディアファクトリー刊・アニメの関くん製作委員会『となりの関くん』1話

4作だけだが、すべて前方の黒板の右に出入り口(廊下)、左に窓がある。

自分の通った学校だけでなく、フィクションの学校でもこのような配置になっている。
それは以下のような事実から説明ができそうだ。

「教室の黒板を夕日が照らす」のは「マンガの中だけの話」です!? | 雑学界の権威・平林純の考える科学 はてなブックマーク - 「教室の黒板を夕日が照らす」のは「マンガの中だけの話」です!? | 雑学界の権威・平林純の考える科学

 100年以上前の明治28年、当時の文部省が「学校建築図説明及設計大要」というものを発行しました。 これは、学校を作る際には「こういう風に作りなさい」という指導書です。 この「学校建築図説明及設計大要」では、(特殊な教室でない)普通教室について、次のように「教室・窓の向き」が決められています。

 教室ノ形状ハ長方形トシ室ノ方法ハ南又ハ西南、東南トシ凡テ光線ヲ生徒ノ左側ヨリ採ルヲ要ス。

わかりやすく書けば、「教室は長方形で、おおよそ南(西南〜東南)に窓が向くようにし、生徒の左側から光が入る配置になる「教室の前」にすべし、という決まりです。つまり、
(北半球の日本では、昼間は太陽の光が南側から差すから)太陽の光が教室を明るく照らすように南側に窓をもうける
窓から差し込む光が、生徒が文字を書く右腕で遮られ(日本人の約9割が右利きなので)、生徒の手元が暗くなることがないよう、教壇は西側にもうけること
という決まりです。 日本が北半球にあって、昼に授業がある学校が多く、さらには、日本人には右利きが圧倒的に多い…ということから導かれる、これは実に論理的な建築設計指針です。

ちなみに上記ブログの後半では、最近発行されている学校施設整備指針ではこのような規則はないが、多くの教室では上記のようになっていることが付け加えられている。


ちょっと話題がそれるが、映像、舞台といったものには上手(かみて)、下手(しもて)というものがある。
舞台向かって右側が上手、左側が下手だ。
そしてざっくりというと、基本的に上手には力の強いものや安定しているもの、下手には力の弱いものや不安定なものを配置するという決まりがある。

なぜそのような決まりになっているかを説明する時、人間の本能に基づいているといった説明がされることがある。
そのような配置にした方が安心感がある、逆に配置すると違和感が発生する、といった。

自分はそのような説明があまりしっくりきていない。
またそれを支持するような実験結果もあったりする。
三善ゼミ「映像から受ける印象についてのアンケート調査結果発表会」 | アニメーション学科 はてなブックマーク - 三善ゼミ「映像から受ける印象についてのアンケート調査結果発表会」 | アニメーション学科

映像演出について従来は、以下のように言われてきました。
『右(上手)から左(下手)に向かって移動する映像はこれからどこかに向かって「行く」ところに見え、逆に左(下手)から右(上手)に移動する映像はどこかから「帰ってくる」ところに見える。』
『右(上手)から左(下手)に向かうのは主人公に見え、左(下手)から右(上手)に向かうのはその主人公に相対するキャラクターに見える。』
「それって、本当?」というのが、三善ゼミアンケート調査の目的です。

(中略)

調査結果についての詳細は省きますが、全体としては昨年度の結果と殆ど変わらず、左(下手)からでも右(上手)からでも、受ける印象に殆ど差を認めることができませんでした。

このような点から、自分は上手下手については特に演出意図がなく、左右どちらに配置してもいいモノをどちらに配置するか決める基準でしかないと思っている。

…いや、思っていた。

今回の教室の件で、もともと生理的な理由で定まったわけではないルールであっても、同じルールのものをずっと見ていれば、ルールにそぐわないものに違和感を感じることはあり得るかもしれないと思った。
だから上手下手についても、そのルールがずっと守られていれば効果が認められるかもしれないと考えを改めた。

と言っても『ルールがずっと守られていれば』という仮定が当てはまるケースがどこまであるかは疑問だが。
例えば現実で上司や先輩、親といった存在がいつも向かって右側から登場していれば上記仮定に当てはまるが、そのようなケースは考えにくい。
人は現実と舞台や映像を分けてとらえているとなるとまた別だろうが、そうなると上記実験結果がネックになる。
なのでもっと細かく場合分けをしたりしないといけないように思う。

とまぁそんな上手下手の話に考えを持っていきつつも元の話に戻ると、お金の投入口が左側にある自動販売機や時計回りに走る陸上競技場といったものは、特に理由付けがない限り、フィクションであっても登場させない方が良いかもしれないみたいな結論になる。

さて、自分が違和感を感じたことから、つらつらとここまで書いてきた。
しかし、これは自分一人の特殊なケースかもしれない。

一番最初の画像、あなたは違和感があっただろうか?
もし違和感があったら、スターをつけて反応をしてもらえると嬉しい。
あるいはコメントやはてブなどをいただけるともっと嬉しかったりするのであった。