藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

宇宙よりも遠い場所での100万円と母へのメール

宇宙よりも遠い場所という作品で、主人公の一人である報瀬の持つ100万円は、何度も登場し、その都度違う意味合いを示してきた。

1話では小淵沢報瀬という女の子が、高校2年生でありながら100万円を稼ぐ、ありえないほどの情念をもつ女だと知らしめる。

2話ではその人並み外れた情念の結晶である100万円も、大人の事情を動かせるほどの力はないと現実の厳しさを見せつけてくる。

6話では空港のカウンターに100万円が叩きつけられることで、報瀬の仲間に対しての思いが、南極へのそれと同じかそれ以上のものになっていると証明する。

そして12話。しわくちゃの袋、ヨレの見えるお札は、報瀬が経験してきた苦難の道のりの象徴のようだった。


YORIMOI PARTNERS『宇宙よりも遠い場所』12話

そのボロボロで静かにそこにある姿は、ラストの怒涛の勢いで受信する、手付かずの未読メールとは対称的だ。


YORIMOI PARTNERS『宇宙よりも遠い場所』12話

一方は様々な経験をしながら報瀬と共に歩み続け、一方は報瀬の思いを乗せて誰にも触れられぬまま、それぞれが長い時間と道のりをかけて南極に到着する。
壮大でありながら、とことんパーソナルな再会だなぁと思う。