映画館に笑いが響いていたHK変態仮面
月をバックにした主演の鈴木亮平さんの素晴らしい肉体から、これは本物だな…と強く感じたので映画変態仮面を見て来ました。
感想としてはとにかく笑える映画だった、というのが第一であり、ほぼすべてでした。
真剣なキャラたちが織りなす笑いにあふれる展開
映画の大まかな流れは、変態仮面に変身する主人公の色丞狂介の両親の出会いを軽く回想した後、狂介が初変身に至った事件を描き、その後変態仮面が街や学校の平和を乱すものと戦いを繰り広げるというものです。
主人公もヒロインも悪役たちも、真剣に考え、行動しているヒーロー物のエッセンスがあります。
しかし同時にどのキャラも行動理念の常人離れっぷりや抗えない本能があるおかげで、どうしても笑いが生まれてきます。
その中でもやはり主人公の色丞狂介の行動が凄まじく、ストーカー気質一途な思いや情熱のほとばしりから生まれる迷言の数々は笑いなしに見られません。
キャラ作りの素晴らしさ
前述のとおり、多くのキャラが常人離れした行動を繰り広げるのですが、どの役も演技がしっかりはまっています。
狂介の母親の魔喜のドS…というか人間や女を捨てているようにすら見える壊れっぷりや、狂介とヒロインの愛子ちゃんを苦しめることになる数学教師戸渡の薄気味悪さなどには妥協といったものが一切見えません。
役者が人の尊厳といったものを脱ぎ捨てている感すらあります。
そういったキャラへの入り込みが一つ一つの発言の本気度を高め、説得力と馬鹿らしさをもたせます。
変態仮面のアクション、ポージングのかっこ良さと美技の数々
作中余すところなく堪能できる変態仮面のポージングは、ギリシア彫刻のような完璧さと変態さを併せ持っています。
美というものは、世の中の常識を超越したところにあるのだと再確認させられました。
変態仮面のポージングは、筋肉の躍動を感じられるアクションシーンの中に上手く組み込まれることでよりその輝きを増していたように思います。
変態仮面が敵を戦闘不能にする際には、基本的に自分の股間を相手の顔に押し付ける形になります。
その必殺技もかなり力が入っていました。
特に地獄のタイトロープという技で、変態仮面がロープに股間で乗りながらにじり寄ってくるところの迫力は尋常ならざるものを感じました。
女性客も想像以上に多く、会場に笑いの響く映画
映画館の客層は思っていたより女性も多く、女性の笑い声もよく聞こえました。
私が座ったところなど、[女女私男女女]のようになっていましたし。
こんなにいろんな人の笑い声が響く映画というのは初体験でした。
思っていたよりも多くの人が楽しめる映画に仕上がっているようです。
もし、世の中から阻害された変態という存在と、悪を懲らしめる正義の味方の両立といったものをテーマにした、重いシリアスな物語を期待していくとやや想像と違う映画になっているかもしれません。
しかし仮にそのような人でも、爆笑できる映画として楽しむという、別の満足感は得られるかと思います。
下ネタが苦手でなければ、ぜひとも映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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