アットホームかつアウェーな『のうりん』イベント in かものう&本格的農業イベント緑園祭
11月17日に岐阜県立加茂農林高等学校で開催される学園祭(緑園祭)にて『のうりん』特別ステージの開催が決定いたしました! 詳細はアニメ公式HPをご確認ください。 URL #のうりん
2013-11-13 20:14:25 via web
ということで岐阜県まで行ってきました。
緑園祭とのうりんイベント、両方共かなりいいイベントでした。
緑園祭は高校生が中心でここまで出来るのか、という驚きがありました。
のうりんイベントは浅沼晋太郎さんのトークが面白かったのに加え、PVなどに出てきた風景がすぐそこにあったり、まだ作品をあまり知らない在校生や地元の人の観覧も多いという、普通のアニメイベントとはちょっと違う雰囲気があるイベントだったようにも思います。
これが高校生の実力かと驚いた緑園祭
今回はのうりんのイベントをやるということで岐阜県まで足を運んだのですが、加茂農林高校の学園祭、緑園祭についても興味はありました。
興味を持ったきっかけとしては、たしか以前ののうりん関係のイベントかなにかで、緑園祭の光景を見たとかそんな感じだったはずです。
なかなかの賑わい方だったような…。
あとのうりん本編でも農業高校が販売している野菜などについて、人件費が計上されない分安いという特殊事情もあるものの、それ意外の品質などの面でも評価されているような描写を何度か読んでいました。
なので実物を見てみたいというのもありました。
ということで9:30からの一般開放に対して、会場到着が9:40ぐらいになるように宿泊場所を出発しました。
この判断はかなり甘かったです。
予定より5分ほど遅れて9:45ごろ会場につくと、そこかしこに長蛇の列。そして『◯◯最後尾はこちら』のプラカード。
ピクニック気分でいたらいきなり戦場に放り込まれた感じを受けました。
長蛇の列に気圧され、とりあえず列がない室内の展示などを軽く見て回って1時間ほど。
列がなくなったと思って、ルンルン気分で行った先がこの有り様。
いや、のうりん本編でも書いてあったんですよ。
毎年十一月に行われる『緑園祭』は一日に五千人が押し寄せるビッグイベントだ。ちなみにここ美濃田茂市の総人口は約五万人なので、人口の一割が来校する計算になる。グラウンドや休耕地は駐車場と化し、交通整理のために警備員まで雇う。
そんなこんなで去年の総売上は二千万円を少し超えたらしい。リアルで。
のうりんの作中では美濃田茂市となっていますが、実際に加茂農林高校がある美濃加茂市の人口も約5万人*1。
実際の緑園祭来訪者も作中と同じく5000人ほどで、美濃加茂市の人口の10%ほどのお客さんが来るのでしょう。
ちなみにオタクの祭典として一般人にも名前が知られてきているであろう、コミックマーケットの来場者は3日間で約60万人*2。
ある研究所によれは日本のオタクの総数は2285万人と推計される*3との事なので、1日あたりの来場者約20万人はオタクの1%という計算になります。
つまり緑園祭は割合的にコミケよりも10倍すごいと言えます*4。
のうりんイベントinかものうでは、白鳥先生が今回の緑園祭で買ったメロンの実物を持ってきていましたが、1時間並んで買ったとか。
完全にコミケの人気サークルじゃないですか…。
ちなみに私は売り切れが目立つようになり、列もかなり短くなった終盤に、あんまり見たことがない柿ジャムを買ってみました。
ラベルの画像や商品名のフォントに若干手作り感が見えるも、食品表示は市販のものと遜色なく、味も並の市販品よりも上…かどうかは私が柿ジャムを買ったことがない上に味音痴なのでよくわかりませんが、少なくとも私にはおいしいジャムでした。
食パンを買う機会が増えそうです。
これで250円はコストパフォーマンスが高い。
野菜や加工品の他にも草花の苗や寄せ植え、木材を加工したブランコやロッキングチェアなども販売されていました。
ブランコやロッキングチェアについては開場30分後の段階で大体の製品に売約済みの札がペタペタ。
乗ったわけでもないので完成度についてあまり語ることも出来ませんが、少なくともパッと見た感じオヤジの日曜大工ってレベルではありませんでした。
非売品ですがこんなものも展示されていました。
他にも草花の成長や食品加加工に関する実験や考察などの展示もありました。
実用化、商品化といった明確なゴールが設定されているものが多い印象で、自分の高校の頃と比較するとその目的意識と完成度に変な笑いが出そうでした。
その他、今年の様子ではありませんが白鳥士郎先生のブログで去年の様子を見ることが出来ます。
特報 『のうりん』イベント in かものう 開催決定! : のうりんのぶろぐ
なかなか刺激的なイベントでありました。
アットホームかつアウェーな『のうりん』イベント in かものう
そんな感じに緑園祭をひと通りまわり、腹ごしらえも終わったところでのうりんイベントが行われる体育館へ。
10分ほど前に入ったので割と前の方に座れましたが、最終的にはかなり席が埋まっていた印象。
見に来たのはやはり在校生が多く、続いて地元の人、学校関係者という感じでしょうか。
PVを流したときの、おそらく見慣れた背景が出てきたことで起こったどよめきからもそう感じました。
イベントは原作者の白鳥先生と畑耕作役の浅沼晋太郎さん、宣伝プロデューサーの3人が出演者。
のうりんの説明からロケハンの写真と美術設定の紹介、そして在校生からの質問コーナーといった感じに進行。
すぐ側の風景がアニメで再現されて映っているというのはなかなか面白い体験でした。
作品の紹介関係だと、真面目な農業アニメです、ってのうりんを紹介すると、紹介された人が放送を見た時に変態大集合のかなり想像と違うものが出てきてしまうから、むしろ面白い作品という側面を強調しないとね、といった話が出てきたり。
これはホントそうなんですよね。主人公の畑耕作からして女の子の腋と足の裏が大好きというフェティシズムの持ち主ですし。
しかし美濃加茂市長ものうりんを応援しているんで多分暴動とかそういうことは起きないでしょう。
美濃加茂市長 応援コメント ‐ ニコニコ動画(原宿)
ただ作品について、面白さはもちろん重視するけど、農業や地元の描写についてはできるだけ正確にやりたい、とも宣伝プロデューサーが言っていました。
のうりんのアニメPVには、美術ここまでやるのか、との印象を持っていたのでこの発言には納得です。
面白かったのが取材に何度も来ている白鳥先生が完全に高校の関係者ポジションになっていたところ。
浅沼さんがA組って何クラスだっけ、といった加茂農林高校についての疑問を述べたりすると、白鳥先生が生産科学科です、などと即答する、ちょっと不思議な光景が何度も繰り返されました。
学校のヒロインやかっこいい先生、キレイな先生といった話題で実際の在校生や先生の名前がバシバシ出てくるのに加え、卒業生や今は違う学校に赴任している先生の話題など、ここまで現地ローカル、身内の話題が出るイベントもあんまり無いような。
そんな地元を舞台とした作品であるために、出演者、作品にとって会場は完全にホームな雰囲気…かと思えば、一概にそうとも言い切れないのが面白いところ。
のうりんを読んだことがある人ならわかるかもしれませんが、こののうりんは変態さんが目白押し。
そしてこのイベントが開かれた場所は農業「高校」の学園祭。
つまり先生方、父兄の方もいるわけです。
出演者がちょこちょこ行き過ぎた表現を使ったあとにマイルドな表現に訂正したり、作品の変態性を強調した後に真面目な部分もあるとフォローしたりと、自粛してるのかしてないのか良くわからないトークはあまり他では味わえない緊張感と面白味がありました。
質問コーナーでは色物キャラが多い本作の中でも、かなり尖った個性を持つローズ花園ばかりが目立って、科自体があまり目立っていない造園科の生徒さんからも挙手が。
その生徒さんから出てきたのはもうちょっと造園科の扱いがどうにかならないか、と質問というより要望に近いもの。
そこから白鳥先生の謝罪会見が始まったり、浅沼さんが自分の出来る範囲で造園科を応援する旨を約束したりといった展開に。
ファンの声は制作者に届くんだなぁとしみじみ感じました。イイハナシダナー。
他にも浅沼さんに質問した生徒がのうりんを読んでいないことをポロリしてしまったり、こののうりんというド変態作品が好きなあまり、先生や地元の人もいるところであらぬことを口走ってしまったりする生徒がいて、隙がありながらも前だけ向いて突っ走る高校生の若さも感じられたイベントでした。
そんな高校生に対して浅沼さんが最後の挨拶で、先生もいる前だからちょっと真面目なことも言っておかないとと前置きしての、好きなことが一つでもあったら学校来たらいいよ、って話も実に高校生向けだったなぁと。
多分質問コーナーでちょっと出てきた、なんとなくこの高校に入っただとか、1年生の時の鶏の世話が本当に嫌だった、みたいな話を受けての話でもあると思うんですが。
というか浅沼さんのトーク、すごく面白かった上に温かみあってよかったです。
キャラ紹介のとき、吉田さんの胸にばっかりポインタ当ててる宣伝プロデューサーに目ざとくつっこんだり、緊張している生徒へフレンドリーに話しかけたり助け舟だしたりとか。
緑園祭あまり回る時間が取れなかった、っておっしゃってたのは前日マジェプリのイベントもあったからなんでしょうね。
加茂農林高等学校「緑園祭」のトークショー終了!生徒さんも先生も温かく迎えてくれました。お土産まで頂いちゃって…。ありがとうございました!本当は握手もサインもいくらでもやりたかったんだけど、対応出来なくてごめんなさい!また呼んでください!次はもっともっと長くいたい! #のうりん
やはり主役級を演じる人は忙しいんだなぁ…
8巻とアニメが楽しみになるイベント
とまぁそんな感じののうりんイベント&緑園祭でした。
緑園祭については7巻ラストで8巻のメインの題材になることが示唆されているのもあって、発売前に実際の様子を体感できたのが良かったです。
あの雰囲気がのうりんではどんな部分が再現されるのか、あるいはどんな部分が強調、アレンジされるのか、今から楽しみです。
アニメについても今回見てきた加茂農林高校の風景が出てきてニヤリとすることもあるでしょうし、作中のどこかで浅沼さんが造園科へエールを送る(かもしれない)のを探す、というちょっとした楽しみも増えました。
浅沼さんがパロディネタを頑張ったと言っていたドラマCD付きの特装版もある8巻が発売され、アニメも放送開始になる2014年1月が楽しみです。
*2:コミケ84:3日間で過去最高の59万人来場 猛暑でも3万人急増 - MANTANWEB(まんたんウェブ)
*3:日本人の5人に1人はオタク!? 矢野経済研究所調査 | マイナビニュース
*4:本記事は筆者の個人的見解にもとづいて書かれており、白鳥士郎氏、ソフトバンククリエイティブ、のうりんプロジェクトの見解ではありません