藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

語彙力がない人向け感想の書き方

最近Twitter等で語彙力がなくて作品の感想が書けない、という人を見かける。

そういう人にとって、感想として浮かんでくるのはこんな感じだろうか

・感動した
・おもしろかった
・楽しかった

こういった感想で満足できない人に向けて、いくつかの方針、具体例を提示したいと思う

自分の反応、行動を感想に加え、感情の方向性、強さを示す

作品に触れて強い感情が引き起こされたとき、何らかの反応、行動を伴うことがある。
それを感想に加える。

・泣いた
・見終わってからKindleで原作を買った
・興奮で眠れない

これらは感想を言った人の人となりを知っている人であればあるほど情景が想像しやすい。
例えば一番上の感想はいつも泣いている人といつも無表情の人で感じ方が変わる。
そのためこの手法は身近な人、自分のことをある程度知ってる人に感想を伝えたいときに特に有効だ。

なお、その感想の独自性を高める前提情報を加えるとさらに生きた感想になる。

・ここ数年泣いたことないけど、この作品を見て泣いた
・続きが気になって、紙派にもかかわらず見終わってすぐ電子書籍に手を伸ばした
・昨日は仕事で忙しくて眠れなかったけど、今日は興奮で眠れなそう

応用としては、自分ではなく、周りの反応を加えるという手法がある。

・映画館が自分含む大勢のすすり泣きでお通夜みたくなってた
・テレビ放送されて原作買いにすぐ本屋に行ったが、最後の1冊だった

…後者はもはや感想ではない気もする。

作品の一部について感想を言うことでメリハリをつける

作品全体でなく、一部について言及するだけで少し印象が変わる。

・ラストシーン感動した
・中盤からずっと感動してた
・始まる前から感動してた

これになぜその部分なのかの情報を加えることで、より表現が豊かになる。
ぱっと感想がでてこないときは、なんでその感情が引き起こされたの? と自分に質問してみるといい。

・ラストシーン、それまで苦労してたキャラが救われて感動した
・中盤から胸に響く名言のオンパレードで感動した
・人気が微妙で打ち切りになりそうなこともあった作品だったから、映像化されたことに感動した。

類似点のあるものを並べて想像しやすくする

作品と似た体験、あるいは作品を見て同じような感想を持ったもの、または作品と共通点があるものを挙げることで想像しやすくする

・高校で同じ部活入ってたから、登場人物の悔しい気持ちがわかる
・志望校の合格発表のHPを開くときのような緊張感が後半ずっと続いた
・実質○○(作品名)

これはニッチな体験になればなるほど実感、共感を得やすく、多くの人が体験していることほど伝わりやすい。
人生でそう何回も経験しないが、1回は経験するといったものは共感されやすく、伝わりやすいだろう。

さらに深掘りする

ここまで挙げてきたことは、「どのように?」「どこが?」「なぜ?」と問いかけていくことでどんどん深掘りすることができる。
最初の例をもう少し深掘りしてみる。

・感動した
←どのように感動した?

・ここ数年泣いたことないけど、この作品は泣いた
←なぜこの作品で泣いた?

・ここ数年、ギスギスした仕事で疲れて感情が死んでいたけど、この作品に人の暖かさを感じて数年ぶりに泣いた
←この作品のどこに人の暖かさを感じた?

・ここ数年、ギスギスした仕事で疲れて感情が死んでいた。だけどこの作品で登場人物が小さなことにもいつも笑顔でお礼を言っている姿が、とても暖かく感じられて数年ぶりに泣いてしまった

と、こんなふうにいくらでも広げていける。

シェアされる感想

ここまで感想の書き方について書いてきた。
しかしこの書き方で書いた感想が高い評価をされるか、シェアされるかは別の問題だ。

結局のところ、評価やその結果の一つとしてのシェアに、一番影響があるのは共感だ。
次点で斬新さ。発言者の感想が正確に描写されているか、表現が豊かかはシェアされるかどうかに関係ない。
むしろ正確さを求めてどんどん感想を深掘りしていくと、それだけ発言者と受け手の感想にギャップが生まれやすい。
そして自分の感想とギャップがある、共感できない感想はわざわざシェアされることはない。

もしシェアされる感想を目指すなら、共感について多大なヒントを与えてくれるバーナム効果を考慮すべきだ。
曖昧な表現、どのようにでも解釈できる表現、誰にでも当てはまる表現を使うことで、
同じ感想を持ってると受け手に思わせることができればシェアの確率は格段に上がる。
ガルパンはいいぞ、なんてのはその最たるものの一つだ。

この記事ではシェアされる感想の書き方についてはこれ以上触れずにここで筆を置こうと思う。
あくまでこの記事は語彙力がないことに悩んでいる人向けの記事だからだ*1
この記事をもとに感想を書いたのに反応がないぞ!? という苦情は一切受け付けないのでそのつもりで。

*1:実際は語彙力ではなく、自分が作品に対してどんな反応をしたかに気づく注意力やなぜそんな気持ちになったかを考える思考力と言ったもののほうが遥かに重要だと思うが