藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

のんのんびよりばけーしょんの旅先での日常

のんのんびよりの劇場版を見てきた。
見終わった直後はちょっと不思議な心持ちだった。

感想としては「テレビシリーズと同じくらい面白かったな」って感じだろうか?

途中でため息をつきたくなるようなこともなく、しかし手に汗握ったり、前に乗り出して見ようとしたりすることもない。
「普通に面白かった」。

なんかもやもやしているうちに、この映画が、TVシリーズで田舎の日常を描いているように、旅先であってもあくまで日常を描こうとしてたのかなという所に思い至った。

本作の主要登場人物の一人、れんげはテレビシリーズと同じく独特の感性を発揮している。
その感性の一片が、夏休みに書き溜めてきた絵に沖縄の景色を見せて、そして沖縄で書いた絵に今度は自分の村の景色を見せるという行動に見える。
その行動には沖縄が特別だという意識は感じられず、むしろ自分の村にとって沖縄は遠く、沖縄にとっても自分の村は遠いという対等・並列の意識が見える。

夏海と映画オリジナルキャラのあおいの関係も対等のように思える。
最初こそ民宿のお手伝いさんとお客さんという関係だったけれど、1日目夜のバドミントン壁打ちという秘密の共有からぐっと距離が近づき、2日目夜には他の子供たちへの敬語も取れて普通の友達のようになる。
そして3日目には子どもたちがあおいのお手伝いをすることで、あおいを加えた1日終日自由行動を手にする。

島の案内という名目で行ったところはあおいの学校。そこで子どもたちが一緒にやったのは……バドミントン。
マジ日常である。

2日目、大人たち主導のシュノーケルとカヤックのような、沖縄という特別な空間を楽しむために一秒たりとも時間を無駄にしない、といった行動ではない。
あおいの日常に夏海たちがお邪魔してきた、あるいはあおいが自分の日常を紹介しているというのがしっくりくる。

いや、実際は村に帰ったら「あおいと」バドミントンはできないからこれも特別なのかもしれない。
そもそもテレビシリーズも田舎の日常ではあったが、それと同時に特別でもあったとれんげとほのかの出会いと別れのエピソードを思い出してしまう。

沖縄到着初日。れんげは民宿までの道すがら、牛を発見してここも田舎なの?と問う。
のんのんびよりは映画館で劇場版が公開されても、田舎であり、日常であり、それでいて特別だった。

それと同時になぜ沖縄まで来てバドミントン? が第一印象の自分には、もはや子供のころの感性は遠くなったのかな、などと一抹の寂しさも感じるのだった。