藤四郎のひつまぶし

プロの素人によるブログ

キミとフィットボクシング 6話 料理下手の表現

料理下手という属性がある。
この属性は完璧超人にポンコツな要素として付け加えて親しみやすくしたり、特徴がおとなしめのキャラにアクセントとして加えたりをお手軽にできる、使いやすい属性の一つだと自分は思ってる。

料理下手の表現方法としては料理が黒焦げになる、爆発する、食べた人が倒れるといったものをよく見る。
その表現について個人的に不満や嫌悪感があるわけでもない。

キミとフィットボクシングの主人公、カレンも料理下手という設定がある。
これは周りのスペックの高い個性的なインストラクターたちにキャラ負けしないよう付けられた属性だと思っている。
そして5話までの料理下手の表現は、カレンが一見変哲のない料理を作るが食べた人は倒れてしまうというよく見るものだった。

6話でもカレンの料理下手表現がある。
www.nicovideo.jp

冷蔵庫の中にタッパーに入った黄色のヤドクガエルがいると思ったら、実はカレンが作った卵焼きだったというもの。
これは黒焦げになる、爆発する、食べた人が倒れるといった表現とは質的に少し違う要素も含んでいると思った。

美味しい料理になり得る素材が、料理下手の手にかかることで、全く違う方向に進んでしまう。
そのベクトルでヤドクガエルは黒焦げや爆発と同じだ。
しかし黒焦げや爆発は表現の代償として素材の要素が残っていないのに対し、ヤドクガエルは色から素材が卵だったことがわかりつつ、毒がある生物という料理とは全く違う方向性も表現できている。
その上で、食べると倒れるであろうことの説得力がヤドクガエルにはある。

どこか抽象的・散漫になりがちな料理下手の表現がヤドクガエルという具体的な生物の登場でキリッと引き締まったように感じられる。
料理下手描写として秀逸なものの一つとして、ここに書き記しておきたい。*1

*1:そもそも冷蔵庫の中にタッパーに入ったヤドクガエルがいるという具体的なシチュエーションだけでもちぐはぐさが面白い。